イラン投資家、トルコでユーロと金を交換
2012年09月02日付 Milliyet 紙

トルコが金の輸出を盛んに行なっているイランで、特権ビジネスマンが低いレートで手にしたユーロを使い、トルコ国内で金を買い、自国の市場で売っていることが明らかにされた。

二国間の金の貿易は最近急激に増加し、「トルコは石油の代金を金で払っている」と言われている一方、「イランは戦争の準備をしており、金を貯めている」と考える周辺国もいる。
イスタンブルで毎日1000万ドルの取引高がある金市場を管理する人たちは、この2つのシナリオを異なる視点で見ている。金市場に詳しい人物によると、イランとの間で急激に増加する金の貿易の裏には、「鞘取引」、すなわち為替レートの差異から利益を得ている人たちがいるという。
また別の人物の話によると、トルコでこの貿易をしている人たちの中に、エブル・ギュンデシュ氏と結婚しているレザ・ザッラーブ氏の名前が出てきたことがわかっている。
ヒュセイン・ザッラーブ氏の息子であるレザ・ザッラーブ氏とムハンメド・ザッラーブ氏によってイスタンブルにつくられた「ロイヤル船舶・産業機械工業貿易会社」という名の会社は、2011年10月27日付の「貿易登録」雑誌によると、金貿易を行うために名称を追加していることが伝えられている。会社名はこの日以降「ロイヤル船舶・産業機械、貴重金属工業貿易会社」と改められた。レザ・ザッラーブ氏は以前にもイスタンブルで宝石会社を経営していた。

■60億ドル相当の金の輸出

トルコ統計機構(TÜİK)のデータによると、2012年1月~2012年7月の7ヶ月間で88億ドル相当の金や宝石が輸出されている。昨年の同じ期間の輸出額は18億ドルである。同時期の輸出額として70億ドルの増加が見られる。トルコからイランへの輸出総額は最初の7ヶ月で80億ドルに達した。2011年のこの時期の輸出総額は20億ドルだった。60億ドルの増加の大部分は金の取引によるものだと考えられる。現在の(金の)値段は1トン当たり5400万ドルである。60億ドルは110トンの金に相当する。
これらの取引高の動きと共に、2012年7月までに最もトルコと貿易を行なった国はイランであることが明かされた。7ヶ月の貿易増加率は295%に上る。金と宝石類の輸出に関しては、371%の増加率を示しており、すべての輸出品の中で一番大きな増加を見せた。金と宝石類の輸入も、98%の増加と、3番目に大きな増加を示した。

■特権ビジネスマン、為替レートの差異で利益

トルコ・イラン間の金貿易がどのように形成されたか簡潔に述べる金市場トレーダーは、次のように述べた。
・イランで政府の特権をもつビジネスマンたちがいる。外国貿易を行うこれら特権ビジネスマンに対し政府はより安いレートでの両替を認めている。
・すべての取り引きは国際市場で最も影響力のあるドルではなく、ユーロを使って行われる。この理由は、ドルが使われる取り引きにはアメリカの監視が厳しいからである。(イランには出入港禁止命令が適用されており、アメリカやヨーロッパの貿易会社は重い罰を受ける)
・手元のトマーン(イラン貨幣単位)を払う特権ビジネスマンは、2,150トマーンを1ユーロに両替している。それ以外の人物がイランの市場で同様に両替をしようとした場合、より高いレートで、2,250トマーンを1ユーロに替えている。
・その後、特権ビジネスマンはイランでユーロに替えた高額な資金をトルコに持ち込み、金を購入している。
・購入した金をイランへ輸出し、それを高いレートで売却し、為替レートの差異で利益を得ている。
・トルコでつくられた会社によって行われるこの金貿易によって、アラブ首長国連邦やドバイのような国々にも金が持ち込まれ、売却されている。

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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:27501 )