エジプト:米大使館前での預言者を侮辱する映像への抗議デモにコプト教徒も参加
2012年09月12日付 Al-Ahram 紙

■アメリカ大使館前のデモにコプト教徒が参加
■コプト教会は祖国を共有する人々の感情と信条の侵害を拒否
■数千人がアメリカ大使の国外追放と事件に関与した人物たちの国籍はく奪を要求
■デモ参加者は無期限の座り込みに入ると威嚇、大使館侵入の意図はないことを強調

2012年9月12日 水曜日 『アル=アハラーム』

【カイロ:ムハンマド・ハサン、ムハンマド・ヒガーブ、アシュラフ・サーディク、ヘバ・サイード、アビール・アル=ムラースィー、ナーディル・アブー・アル=ファトゥーフ、マルワ・アル=バシール、アハマド・アブドゥルファッターフ】

 昨晩、ガーデン・シティーにあるアメリカ大使館の建物の周りに数千人が詰めかけた。アメリカ人牧師テリー・ジョーンズと、モーリス・サーディク[=アメリカに移住したエジプト出身コプト教徒弁護士]ほか、在外コプト教徒の一部が手掛けたとされる、預言者を侮辱する映画に抗議するためだ。抗議には多くの政治勢力・イスラーム勢力・コプト教勢力が参加した。

大使館前で無期限の座り込みに入ると威嚇しつつ、デモ隊はアメリカ大使の追放と、預言者の侮辱に加わった在外コプト教徒の裁判および国籍はく奪を要求した。また、ムハンマド・ムルスィー大統領に対し、駐米エジプト大使の召還を求めた。

 デモ参加者は、アメリカ大使館に向かったのは、自分たちの怒りを平和的に表明するためであり、大使館に突入する意図は全くないことを強調した。その一方で、ウルトラス[=サッカーの熱狂的私設応援団。デモでの過激な行動でも知られる]の若者数名が、建物の塀によじ登り、アメリカ国旗を降ろして燃やした後、「アッラー以外に神なし、ムハンマドはアッラーの預言者なり」と書かれた黒い旗に取り換えようとしたときには、デモ隊から「アッラーは偉大なり」の声が上がった。その時、「平和的に、平和的に」と叫び続けるデモ参加者を追い散らすため、大使館の敷地内から警察が威嚇射撃を行った。

 一方、コプト・マスペロ青年連合のメンバー、マグディー・サービル氏は、「われわれの連合と、他の多くのコプト教団体が、デモに参加している。それは、預言者に対する侮辱はエジプト人全員に対する侮辱であり、我々はいかなる啓示宗教に対する侮辱にも反対し、このような“恥ずべき”行為をする者はエジプトのコプト教徒も在外コプト教徒も代表しておらず、祖国の団結を砕こうとする血迷った集団を代表しているにすぎないという、われわれコプト教徒の信念から出た行為である」と強調した。さらに同氏は「我々はムスリムの同胞らとともにアメリカ大使館前で座り込みをしている。それは世界に対して、エジプト人は高い意識をもつ国民であり、このような疑わしい試みの前に、一体となって立ちはだかるというメッセージを送るためだ」と指摘した。

(後略)

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:西舘康平 )
( 記事ID:27587 )