「地下ファッションショー」に警察が警告
2012年09月16日付 Jam-e Jam 紙


【社会部:マルヤム・ハッバーズ】どちらも服を売っていることに違いはない。どちらも自宅で仕事をし、どちらも税金は支払わず、どちらも秘密裏に商売をしている。違いは一点。一方は自宅を使って服を販売し、友人や家族向けにそれを展示し、胸をはって生計を立てているが、他方は服飾販売を隠れ蓑にして、犯罪集団を運営している。その目的は、市民を騙すことにある。

 監督当局は、いずれの形態の商売も違法であり、経済システムを混乱させるものであるとしているが、しかし後者に対してより厳しい姿勢を示している。というのも、〔彼らが自宅の中で秘密裏に行っている〕一部のファッションショーで殺人や窃盗、強姦、麻薬の密売・使用などの犯罪が行われる可能性があると、当局は認識しているからである。普通の市民が許可なく自宅を使って商いを行っているようなケースでは、こうした事件はそう起こるものではないだろう。〔‥‥〕

 首都の表面の下には〈地下都市〉が成立しており、警察もそこで起きる違法行為を探っている。この〈地下都市〉でも地上世界と同様に、商いが行われている。ただし、それは警察が容認するような種類のものではない。

 警察関係者らが懸念しているのは、都市の〈下層〉部分で経営されている店で詐欺の被害に遭い、〈低俗文化〉の網に絡め取られてしまうような人に対してである。

 治安維持軍はこうしたことから、あらゆる場所で〔違法ビジネスの〕足跡を追っており、その結果、服を販売し、さらにコーディネートのために装飾品やスカーフ、バッグ、靴なども一緒に提供しているような店に辿りついている。そしてこうした店こそ、〔地下で行われている〕ファッションショーの元祖に他ならないのである。〔‥‥〕

 実際、こうしたファッションショーを宣伝するカードは市中、特に富裕層が行き来するような場所、〈ショップ〉やプール、美容院などで簡単に手に入れることができる。またこうしたショーが行われる場所についても、口コミで、あるいはインターネットという終わりなきバーザールのなかで広まっている。そこではアラブ首長国連邦、トルコ、あるいはマレーシアから輸入された服をショーの中で着飾り、市場を活気づけるための、見目麗しき男女の採用広告が、さまざまに掲載されているのを目にすることができる。治安・諜報関係者たちはまさにこうしたことを手がかりにして、こうした魅惑的な市場の存在を突き止めるのである。〔‥‥〕

 警察によれば、みたところ普通の衣料品店も、それは単なるカムフラージュに過ぎず、法的要件を満たさないものがあるという。大テヘラン治安維持軍司令官のホセイン・サージェディーニヤー氏は、こうした〔違法〕業者との〈かくれんぼ〉を快く思っていない警察関係者の一人である。例えば同氏は、〔地下で行われている〕ファッションショーに関する最新の発言の中で、不満げな口調でこうしたショーの裏側で起きている不愉快な事件について口にしている。

〔‥‥〕

 こうした中、大テヘラン治安司令部情報公安警察長官のアリー・レザー・メフラービー氏は、警察がなぜファッションショーを問題にし、取り締まりを行っているのかについて、いくつかの事例に要約して説明している。同氏によれば、要するに警察は社会に〈低俗文化〉が蔓延することを懸念しているというのである。

 同氏はジャーメ・ジャム紙に次のように述べている。

ファッションショー関連で逮捕された犯人たちへの捜査から分かったのは、ファッションショーが行われる場所は低俗文化を広め、若者や青少年たちを〈腐敗の館〉〔=売春宿〕や、さらには向精神薬・麻薬へと誘導する温床になっている、ということである。こうした場所で提供されている服も、低俗な服を蔓延させることに役立っている。

 メフラービー氏によれば、一部の貪欲な商売人のなかには、顧客、特に若い少年少女を騙し、試着室に連れて行ってはその様子を盗撮するといったシナリオを描いている者もいるという。実際、こうした試着室の存在や、恐喝の被害に遭った女性たちについて、これまで幾度となく報じられている。〔‥‥〕

 メフラービー氏はその上で、次のように注意を促している。

同業者制度法の運用規則によれば、市民へのサービス提供を目的とする国内における職業活動は、すべて同業者組合から活動許可を得た上で、治安維持軍公共地域警察の監督を受ける必要がある。これに対し、ファッションショーを開いているような業者は商売を行う許可を得ておらず、また〔地下ではなく〕〈地上で〉活動している業者とは異なり、税金も払っていない。こうしたことから、彼らの活動は法的に認められた商売を損なうものであると言えるのである。

〔‥‥〕

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27621 )