国会開会式のギュル大統領演説―エルドアン・ギュルの意見の相違鮮明に
2012年10月02日付 Radikal 紙
国会の新しい会期がアブドゥッラー・ギュル大統領の開会演説で始まったが、ギュル大統領は予想通りの重要なメッセージを発した。そして、はっきりしたことがあった。明らかに、ギュル大統領は23ページの演説原稿を慎重に準備し、すべての言葉を「注意」して選択していた。
ギュル大統領は開会演説で協議事項として議論されているほぼすべてのトピックに言及する際に、基本的に政府と見解を異にした。ギュル大統領が特に、「選出されたものの、この会期に国会に参加できない国会議員は、本議場のなかの欠陥を示しているものと指摘したいと思う。選挙に合法的に参加し、 国民の票を獲得して、国会議員の地位を携える権利を獲得した者は誰でも、自身について最終的な司法判断が明らかになるまでは、立法活動に参加する必要があると思う」と話して、「収監された代表者」(※平和民主党所属国会議員)を支持したことは、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の気分を害した。
エルドアン首相は、ギュル大統領の演説の後から記者団の質問に対し、「親愛なる大統領と論争となることを望んでいない。私たちがこの件で同意見でないのは、そもそも明らかだ」と返答した。この応答は、衆目の中で両首脳の「意見の違い」を初めてこれほど明瞭に明らかにした。
しかし、大統領官邸と政府の間にある「意見の違い」は単なる「収監中の国会議員」の件に限定されなかった。ギュル大統領は、「報道の自由」、「公正発展党大 会における記者章発給禁止」、「EU基準に沿う法律の重要性の強調」、「シリア、イスラエル、イランを初めとした中東で遂行されている政策」、「経済に関する警告」などでかなり齟齬がある。ギュル大統領は、経済上の動向を評価する際に、「私たちが望んでいる成果は、通達によるのではなく、正しい政策を続けることで得られるであろう」と話し、内閣の中で生じている「政策金利の運営」論争にも言及し、まさにアリ・ババジャン副首相寄りの態度を示した。
ギュル大統領は、テロとの戦いについて、平和民主党(BDP)に対し、「国会議員の宣誓に触れつつ」、明らかな批判でなかったが、平和民主党に所属する国会議員の不逮捕特権の撤廃について政府と同じ考えでないと明言した。同大統領は、「国と国民が直面するあらゆる問題を解決する場所が、気高いこの国会の場である。我が国のあらゆる考えと特色がこの場に集うことが重要なのである。重大なのは、この気高い機関が、包括的であり、多数派とは異なる考えを持つ人たちがこの場に信頼を寄せる場となることである。国会を構成する中で生じるであろうあらゆる欠陥は、過去の出来事を再び繰り返し、今必要な解決をさらに延期すること以外なにも生み出さないであろう」と発言し、過去に触れ、平和民主党員への対処がもたらす政治的混乱を強調した。
ギュル大統領、エルドアン首相両者ともに、しばしば友好関係を強調し、二人の間を誰も割くことができないとのメッセージを発している。しかし、諸問題に対する見方に関する違いが初めてこれほど鮮明に現れた。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:27746 )