巡礼月のメッカ、建設工事中
2012年10月16日付 Hurriyet 紙


ハッジ月であるにも関わらず、メッカにおけるカーバ改修プロジェクトによる工事熱は高まり、絶え間なく工事が行われている。

巡礼者は、昨年ギュル大統領とトルコ外務省の介入で取り壊し延期となった柱廊の最後の姿を見つめている。オスマン朝時代に建設された「古人からの贈り物」である柱廊をコンヤに移すため、アブドゥッラー国王からの許可待ち状態である。

メッカには、毎年世界中から何百万人ものイスラム教徒がハッジのために集まる。ハッジ月であるにも関わらず、メッカにおけるカーバ改修プロジェクトによる工事熱は高まり、絶え間なく工事が行われている。巡礼者は毎年、今年こそは取り壊されると言われてきた柱廊の、最後の姿を見つめている。柱廊は昨年取り壊される予定であったが、トルコ外務省が介入したため延期となった。今回の工事のため、カーバのサイの最上階は現在巡礼者に解放されていない。メッカは、工事終了後にはマンハッタンのような景観になる予定で、ジッダ空港から6時間かかっている道程も電車で一時間に短縮される。

■コンヤに可能性

コンクリートを打設しながら設置された世界最大の2つのクレーンのうちの一つが運搬に用いられる。アブドゥッラー・ギュル大統領と外務省が柱廊をコンヤに移設するための計画は、アブドゥッラー国王の許可待ち状態である。

■正門工事終了間近

カーバの柱廊を取り壊さずに拡張することについて、別の計画も議論されている。その計画のうちの一つはというと、ハッジ月に設置される二階建ての移動可能な台(臨時通路)を使って歩いてもらうこと。
カーバのエル・ベイト塔の真向かいにある正門の工事は終了間近である。カーバのアブドゥラズィズ門の真向かいにある、アブドゥラズィズ国王ハレム・シェリフ基金が建設させた、「摩天楼の家」と言われる、エル・ベイト塔の上にある時計は、カーバのどこかられも見ることができる。150万平方メートルの工事地区に建設されているサファ、メルヴェ、ゼムゼム、マカム、ハジェル、サラ、そして最も高い建物であるベイトホテルから成る7つの高層ビルでカーバは変わり始めているが、こうした変化は、メッカとメディナ、ジッダで続いている。

■ジェベリ・オメル塔

カーバのある場所は、プロジェクト終了時には3分の1程広くなる。カーバのすぐ隣にある王宮、ヒルトンの独特なメッカ風建物の様相をもつ表部分と、テヴィットホテルを含む多くの建物が取り壊されることになっている。取り壊される土地の大半はカーバに組み込まれ、残った土地にはホテルが建設される。
エル・ベイト塔の裏には2万6000室を有す22の高層ビル(ホテル)が建設される。ホテルは25年後に土地所有者である王族たちに権利が移る。ヒルトンの裏側にはオメル山を開発して作られた新しい都市、ジェベリ・オメルがあり、建設中の塔群がカーバからも見えるようになってきた。メッカでの新しい建設プロジェクトの中には、アブドゥラズィズ王の名を冠するモスク建設プロジェクトも含まれている。

■工事で巡礼者数減

メッカで巨大なクレーンを使った工事が進められる一方で、カーバ拡張プロジェクトは今年の巡礼者の数にも影響した。サウジアラビア政府はトルコに毎年4~5万人の追加割当を行うが、昨年は2万人に落ち込んだ。今年も追加割当の申請があったが、サウジアラビア政府が巡礼者数を制限したため、申請は退けられた。

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( 翻訳者:百合野愛 )
( 記事ID:27904 )