オジャランのポスターの下、BDP臨時党大会開催
2012年10月15日付 Milliyet 紙


平和民主党(BDP)の(臨時)党大会で民主的自治モデルの詳細が説明された。デミルタシュBDP共同議長は、ギュベン・ディヤルバクル県警本部長を擁護し、「亡くなったゲリラへも兵士へも私たちは涙を流すでしょう」と語った。

BDPは57人の同党所属の議員がクルディスタン社会連合(KCK)捜査で逮捕されたことを受け開催した第2回臨時党大会で、同党のセラハッティン・デミ ルタシュ共同議長は民主的自治プロジェクトを明らかにし、「私たちの自治モデルはエスニック性に基づくものではありません」と語った。

アフメト・タネル・クシュラル体育館で開催された第二回BDP臨時党大会の開会の言葉をギュルタン・クシャナクBDP共同議長が述べた。クシャナク共同議長は、イムラル島で服役中のアブドゥッラー・オジャランは「人質」扱いなのだとし、「親愛なるオジャランは、クルドの民の指導者です。PKK(クルディスタン労働者党;非合法組織)のリーダーです。トルコの民のため、平和のため、トルコのための危機打開となる人物です」と語った。同共同議長は交渉が開始されることを 望んでおり、女性たちに語りかけながら、「親愛なる女性たち、当たり前ですが、母親の気持ちは同じです。トルコ、クルド、アラブ、チェルケズの違いなどありま せん。ゲリラと兵士の葬儀を共に参加しましょう、無駄な死を望んでいませんと大声で叫びましょう」と述べた。

■3つの題目が挙げられた

セラハッティン・デミルタシュBDP共同議長は、演壇にクルド行進曲の「ヘルネ ペシュ」とともに上がり、トルコが最も頭を悩ます問題はクルド問題であると語り、この問題を3つの主要な題目に分けて説明した。デミルタシュ共同議長は、3つの題目に「平等」、「公正」、「平和」を挙げ、この3つの項目は一緒に取り上げる必要があると話した。デミルタシュ共同議長はクルド問題解決のために提案した民主的自治プロジェクトの細部を説明し、演説を以下のように続けた。

「私たちは、12から20の地域から構成される自治区を提案しています。私たちが提案したモデルはエスニック性に基づく自治ではありません。地域の議会は トルコにあるすべての政党に、今と同じように開かれます。地域の議会は、母語教育も含め、たくさんの政策で権限をもつことになるでしょう。公用語とともに、希望する者dは、二番目の公用語を使うことができます。政府が今後作り出す憲法に照らして、トルコの多くの地域は民主的権利を行使することできます。これ(民主的自治プロ ジェクト)が動き始めて、これらの自治地域のいくつかで、我々が権限を行使できる立場となるなら、該当地域で、最大限の民主主義を制度化するために努力する。一部の人々が 言うような、一つの政党が全地域を統治することを望んでいるとの発言は間違いです。私たちが成功しなければ、民は他の誰かを選ぶでしょう。これが受け入れられ ない場合、クルディスタン地域限定となる自治について話し合うことになるかもしれません」。

■母語問題、コーランの一節で返答

デミルタシュBDP共同議長は、「母語教育は行わない」と語ったレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に対し、コーランの表現と章を引用して返答し、「クルディスタンの、もっとも由緒ある民のひとつに、単一の民族、言葉を求めるのは間違いである。このようなことは、イスラームでありますか?こうした言説の名称はファシズムといいます」と述べた。

デミルタシュBDP共同議長が「山での死亡した者に涙を流さないものは人ではありません」と発言したことで捜査を受けはじめたレジェプ・ギュベンディヤルバクル県警本部長を擁護し、「命を落とした人々を思って泣く美徳を示さないような人物にはなりません。亡くなったゲリラへも兵士へも涙を流すで しょう。今日、ひとりひとりのために泣くように、明日微笑むのなら、みんなと一緒に微笑みましょう」と話した。

デミルタシュBDP共同議長は、シリアで実行されている解決モデルがあらゆる場所のモデルとなると言及し、「議会でシリアに関連する開戦の覚え書きが出されることにつき、アフメト・ダヴトオール外務大臣はクルド最高委員会をトルコへ招へいし、彼らとともに政治的関係を進展させなければなりません」と語った。

■オジャランのポスターとトルコ国旗

※演説がおこなわれた檀上の右にはトルコ国旗、左にはBDP党旗、檀上の後ろには、「「抵抗しながら自由へ向かって歩む」というスローガンが掲げられた。檀上にはクルド語、アラム語、トルコ語で書かれたスローガンが飾られた。

※「党大会では、オジャランを支持するデモ行進がおこなわれ、オジャランの写真が違法な形で掲られたこと、このことで数多くの訴訟対象となっているBDP党員は、初めて党大会でオジャランの巨大なポスターを掲げた。ポスターにはハトが飛ぶ際に撮影されたオジャランの写真が使われ、トルコ語とクルド語で「オジャランに自由 を」との標語が書かれていた。オジャランの巨大なポスターが壁にかけられアタテュルクとトルコ国旗を覆った。

(以下、略)

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:27905 )