アブドゥッラー・ギュル大統領は、国会の開会演説でもそうだったように、共和国記念日メッセージでも新憲法制定、EU加盟という目標を強調した。
経済からテロ、新憲法から外交まで、様々な分野に言及したギュル大統領は、「自由で、多元主義的で、民主主義的な新憲法の制定は、間違いなく民主化プロセスの最も重要な一歩となる」と述べ、EU加盟も戦略的な目標であるとした。
ギュル大統領は共和国記念日のメッセージで、共和国宣言はトルコ民族を現代文明の水準に到達させる最も重要な一歩であったと語った。また、新憲法制定を強調していたのが注目された。「トルコの最優先課題と目標は明らかだ。新しい世界の秩序の中で重要国になるというトルコの目標を実現するために、注意を払わねばならない必要な最優先課題を今一度繰り返したい。共和国的価値と民主主義は、疑いなく我々の最も重要な価値観の源である。我々の共通の目標は、みなが民主主義と自由の中で生活し、権利と自由を普遍的な水準で行使できるトルコである。トルコが発展した民主主義国となるために、基本的な権利と自由の拡大と、法の優位性の強化が重要であること明白である。ある国における自由の度合いこそは、民主主義を実現する力である。自由で、多元的で、民主主義的な新憲法の制定は、疑いなく民主化へ向けた最も重要な一歩となる。民主主義の質を向上させることは、我が国で真の平和と安心の実現のみならず、安定、豊かさ、安全を保障する。これにより、基本的人権と自由における問題点を解消を目指すものの、(そのことで)トルコが有する特殊な問題が無視されないことも必要があると考えている。」
ギュル大統領は、EU加盟がトルコの、そしてトルコ共和国の基本的な最優先課題に合致した、戦略的な目標であると述べた。一方で、EUがトルコの前に置いた恣意的な障害を取り払うための政治的圧力を高めながらも、他方では改革を継続する必要性を指摘した。
■テロに打ち勝つ力がある
トルコの近年の経済状況についても言及したギュル大統領は、持続可能な成長の重要性を強調した。トルコ経済が世界トップ10に入るための政策を断固として実行し、この方向で構造的な改革を継続することの重要性を指摘した。共和国記念日のメッセージは、画像つきで大統領府のサイトに公開された。メッセージにおいて、国の未来に関して前向きな予想図を描くギュル大統領は、「テロをはじめとして、国の議題を占める諸問題を断固として、しかし同時に穏健に、永続的に解決する力と経験が我々にはある。どんな問題も、我々の未来を犠牲にすることを我々は許しはしない。暗い野望を追い求める者たちは、いつもそうであるように、心を一つにしたトルコ全体を相手にしなければならない」と話した。
メッセージで外交問題に関しても触れたギュル大統領は、「トルコが、民主主義的で世俗的な国として、また先見性をもった国として、この地域でのインスピレーションの源となっていることは、(トルコが有する)未来志向の視点の成果である。本来この状態は、我々が持っているソフト・パワーがもたらした具体的な成果である。我が国が国際的な舞台におけるこの地位を確固たるものとし、この成果を保障する行動を断固として続けることの重要性を強調したい。この希望と確信とともに、トルコ共和国建国100周年(の2023年)に向けてまっすぐ進み、過去と未来の清算を行うことは、新しい進歩のために我々に勇気を与える」と述べた。ギュル大統領は、トルコが、現在までの成功により人々に望みを与え、人々の自信を高める国であると強調し、深刻なリスクや危険が存在する地勢的地域に位置するトルコが、アタテュルクの「国に平和、世界に平和」という言葉に従い、近隣諸国やその外に平和と公正、安寧を広めようと努めていると述べた。
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:28061 )