共和国記念日レセプションに、スカーフの要人夫人ら
2012年10月29日付 Radikal 紙


エルドアン首相は、大統領官邸で初めて「配偶者同伴」として催されたレセプションでスピーチを行ない、「今日まで私と妻を官邸に立ち入らせなかった者たちは恥じるべきだ」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、共和国建国89周年を祝う行進を行おうとした人々に警察が介入したことを弁護し、ケマル・クルチダルオール共和人民党(CHP)党首が行進に「非合法組織」と共に参加していたと非難した。
エルドアン首相は、大統領官邸で初めてスカーフ着用の禁止無しに、夫人同伴の形で共和国記念日レセプションが催されたことを評し、「私と妻を今日までここに立ち入らせなかった者たちは恥じるべきだ」と述べた。またアブドゥッラー・ギュル大統領は、「さまざまな光景の中でもいくつかは重大な意味を持つ。今日の光景もそのような意義深いものだ」と語った。

ただし、ギュル大統領とエルドアン首相の刑務所のハンガーストライキに対する見解は異なっていた。ギュル大統領は、「ハンガーストライキの終結」を呼びかけたが、エルドアン首相は「ハンガーストライキをしている者などいない」と述べた。

共和国記念日祝賀の夕方の注目は大統領官邸に集まった。以前は(訳注:配偶者同伴のレセプションには)スカーフ着用者が出席する可能性があるとして軍関係者が出席せず、このためにアブドゥッラー・ギュル大統領は「配偶者同伴」のレセプションと「単身」のレセプションを分けて同じ日に行なっていた。しかし大統領は昨年、初めてレセプションを一回に統一しようとした。

しかしヴァン地震が発生したためこのレセプションは開催されなかった。したがって官邸で共和国記念日のために夫人同伴で一回だけのレセプションが催されたのは今回が初めてとなった。レセプション出席者の大多数が夫人を連れており、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の他にもネジュデト・オゼル参謀総長と総司令官らも妻と共に出席した。

ケマル・クルチダルオールCHP党首は欠席、民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首、平和民主党(BDP)のスッル・サクク議員、ハスィプ・カプラン議員、無所属のアフメト・チュルク議員は出席した。

■エルドアン首相、行進に関しCHPを批判

レセプションで新聞記者らと会話を交わしたエルドアン首相は、日中アンカラのウルスで行なわれた祝典について、「あれは非政府系の祝賀行動とはいえない、挑発も同然だ」と述べた。

首相はCHPへの反発を表し、午前中の祝典で同席したクルチダルオールCHP首相が、その後(訳注:政府が式典を行なう)ヒッポドロームではなくウルスに向かったことについて、「法治国家には法律がある。それによるとアンカラには8箇所が集会場として認められている。これを認めず、ウルスに集合してアタテュルク廟へ行進しようとするなどあってはならないことだ。クルチダルオールは合法(組織の長であるが)、違法組織と行動を共にし、彼らを合法化しようとしている」と述べた。

エルドアン首相は、バリケードを解除するよう命令したという情報は誤りであるとし、「バリケードを解除するよう指示したのは私ではない。警察は任務を遂行しなかった。警官1名が鼻の骨を折り、11名が負傷した。私は道路の閉鎖もしくは封鎖解除に関し一切指示していない」と述べた。

エルドアン首相は、「(CHPは)2007年のようにしたいと思っているのでしょうか」という質問に対し、「恐らくそうだろう、しかしそれは彼らのためにならない」と答えた。また全体として祝典はどうだったかという質問に対しては「我々は楽しんでほしいと思っていたが、クルチダルオールはそんな気分にはならないようだ」と述べた。

首相は前日イスタンブルで開催されたテニスのトーナメントで、大臣らが「ブーイング」を受けたことに触れ、「私も同じようなことをされた。我々が気にかけているのは、オリンピックをイスタンブルに招致するための準備だ。交通相、家族社会政策相、イスタンブル広域市長に、貢献以外に何の過失があっただろうか。スタジアムの空気は今日のアンカラの(訳注:CHPの)それと同じだった。このブーイングによって我々が失うものなどない。(訳注:ブーイングを)組織した者たちが失うだけだ」と述べた。

■「残念なことが起きた」

ギュル大統領もウルスの行進に関する騒動について、「残念なことだ、二度とこのようなことが起きないことを願う…。それぞれが記念日を祝いたいように祝えばいいが、誰にも危害を加えてはならない」と述べた。ギュル大統領は、行進が行なわれる前にアンカラ県庁に向けて文書を書いたが、それでも「残念なことが起きてしまった」と述べた。

■夫人同伴に喜びの声

大統領官邸でのレセプションでは、ギュル大統領にもエルドアン首相にも、今年はレセプションを一回のみ配偶者同伴の形で催すことについて、質問がなされた。
エルドアン首相は、「これまで我々をここに一緒に立ち入らせなかった者は恥じ入るがいい。妻と同席できてとても嬉しい。これまでも妻と出席することは可能だったが、そのような招待は受けなかった」と述べた。ギュル大統領は、「この様子を幸せに思う。あらゆる階層の国民がここにいる。もはや過去は過去だ。何事にも時期というものがある。ここでの光景がトルコ全土を反映することを願う。これは国民にとって元気の源となるだろう。いくつかの光景はとても大きな意味を持つ。今日の光景もそのような意味のあるものだ」と語った。

エルドアン首相は、別の質問に対し、妻のエミネ・エルドアン夫人とギュル大統領の妻ハイリュニサ・ギュル夫人の間には「不和や不快感は微塵も存在しない」とし、そのような情報は「嘘であり、でっちあげだ。(こうした噂の背景には)不仲の種を蒔くという」目的があると述べた。

■ハンストに対するギュルとエルドアンの異なる考え

エルドアン首相は、刑務所でのハンガーストライキについて、「空腹な者はいない、皆出されたものをすべて食べている」としつつ、必要となればハンガーストライキに介入する可能性もあると述べた。
一方でギュル大統領は次のように語った。
「これはトルコの深刻で重要な問題だ。我々はトルコ国内で起きている出来事を包括的に見なければならない。ハンガーストライキを終わらせるため、呼びかけを行なうつもりだ。問題を未解決のままにすると、問題は深刻化してしまう。トルコは以前この種の苦痛を味わった。もう起きないようにしなくてはならない。トルコで誰もが話したいことを話せるようでなければならない。どんな相容れない要求も、暴力を伴わなければ話せるようにしなければ。この問題を一刻も早く終わらせなければならない。問題が大きくなると解決が難しくなる。医療の点から必要なことは、すべて行なわなければならない。」

サドゥッラー・エルギン法務大臣もこの件に関連して、ハンガーストライキを行なっている者は300名減少したと発表した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:28070 )