イスラエル:エジプトの政権に対する評価
2012年11月03日付 al-Hayat 紙

■エフード・バラク国防相、エジプトの体制が独裁であるとの発言に抗議し、エジプトの内政に対する不干渉を強調

2012年11月3日『アル=ハヤート』

【占領下エルサレム:アーマール・シャハーダ】

ムハンマド・ムルスィー大統領率いる(エジプトの)統治体制は「恐怖の独裁」であるとした国防省のアモス・ギルアド政治・治安局長の発言が、エジプトとの良好な関係を望む国防省内で相違を惹起した。エフード・バラク国防相は声明を発表し、ギルアド局長の発言に反対の意を表明した。また同局長の発言は国防省の立場を反映するものではないとした上で、「国防省とアモス・ギルアド局長はエジプトに対する内政干渉を意図しているのではない」と述べた。

ギルアド局長はヘルツリヤで開かれた地域の平和と安全を議論する会議で発言した。局長は自身の発言の中で地域の情勢に言及し、エジプトにおけるムスリム同胞団の政権獲得とエジプト・イスラエル関係の将来に懸念を表明した。またイスラエルがエジプトとの和平合意を極めて重要であると位置づけている旨を強調し、和平合意は同国が軍隊を動員するよりも千倍の価値があると評価する一方、イスラエルとムハンマド・ムルスィー大統領との対話が行われない状態は今後も継続し、ムルスィー大統領がイスラエル人と話す日は来ないという見解を示した。さらにギルアド局長はエジプト・イスラエル関係が和平合意の存在にもかかわらず暖かな関係だったことはなかったと指摘し、イスラエル側は警戒心を持ってムスリム同胞団の台頭を注視していると述べた。ギルアド氏の見解ではエジプトの民主主義から生まれたものは衝撃的な独裁の力であり、タハリール広場でデモを行った青年らを見ることはもはやない。同氏は「彼らは蒸発してしまったのだろうか」と自問し、続けて「エジプト人はムルスィー氏が民主的選挙に拠り権力の座に就いたのであり、いかなる争いも政治の舞台あるいは投票箱を通じて解決しなければならないということを認めている」と述べた。

エジプトの統治体制に対する批判とは逆に、アモス・ギルアド局長はヨルダンの政策と彼が言うところの「世界ジハード組織による脅迫に対するヨルダンの対応」を称賛した。一方、現段階ではパレスチナ人と和平合意に達することはないと予測した上で、イスラエルは治安上の連携を維持するためにパレスチナ自治政府と対話を維持に責任を負うと指摘した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:28121 )