エジプト:ジハード主義指導者がスフィンクスとピラミッドの破壊を呼びかけ
2012年11月11日付 al-Hayat 紙

■エジプト:ジハード主義指導者がスフィンクスとピラミッドの破壊を呼びかけ

2012年11月11日『アル=ハヤート』

【カイロ:AFP】

エジプトの「サラフ主義・ジハード主義の宣教」という団体の指導者であるムルガーン・サーリム・アル=ゴーハリーは、スフィンクスとピラミッド、そしてエジプトにある彫像を破壊することを呼び掛けた。

アル=ゴーハリーは、民間放送局「ドリーム」チャンネルとのインタビューで、「エジプトのあちこちにある偶像・彫像を破壊しなければならない。ムスリムは英邁なるイスラーム法の教えを適用するよう命じられているのである。その教えの中には、我々がアフガニスタンで行ったように、すなわち仏像を破壊したように、偶像を除去することが含まれているのである」と述べた。

そして付け加えて述べた。「我々は偶像を破壊するよう命じられている。そのため、我々はスフィンクスとピラミッドを破壊する。なぜならば、それらは像であり、アッラーなしに崇拝される偶像だからである」そして、「力強く偉大なるアッラーは高貴なる彼の預言者に偶像の破壊を命じられた。私がターリバーン運動に参加していたとき、現地の政府は失敗したものの、我々は大仏の破壊を行った」と述べた。

そのインタビューに参加したジャーナリストのナビール・シャラフッディーンは以下のように返答した。「アムル・ブン・アル=アース(エジプトを征服した預言者ムハンマドの教友)は、エジプトを占領したが彫像を破壊することはなかった。なぜならば彫像の破壊はそれが崇拝されているかどうかによるからである。現在彫像を崇拝する者はいない。そのため、この人類の遺産はすべてのエジプト人、そして人類の所有物である。我々は破壊する目的でこの遺産に近づくことを誰にも許さないし、我々はあなた方を待ち伏せするだろう」。

チュニジアのナフダ運動の副党首であるアブドゥルファッターフ・ムールー師は、同番組内で質問を投げかけた。同師はアル=ゴーハリーに対して以下のように述べた。「あなた方がそれを行うことができる立場かどうかもう一度よく考えてみなさい。アムル・ブン・アル=アース(アッラーが彼に満足されますように)はエジプトに来たとき彫像の破壊を行ったであろうか?預言者ムハンマド(アッラーが彼に祝福と平安を与えますように)が彫像を破壊したのは、当時の人々がそれを崇拝していたからである。スフィンクスやピラミッドについては、それを崇拝する者はいない。従って、あなたは間違っている。あなたの考えは過ちであり、イスラーム法に背くものである」。

別のサラフィー主義の指導者で著名な伝道師でもあるムハンマド・ハッサーンも、かつて「彫像の顔を破壊しそれを蝋で覆うこと」を呼びかけたと指摘されている。また、多くのエジプトの文化人たちが、アル=ゴーハリーの発言に対する怒りを表明しており、彼らの一部は「ムルガーン・サーリム・アル=ゴーハリー師自身と彼を支援する者のような人々」を裁判にかける要求まで出している。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:三代川寛子 )
( 記事ID:28223 )