パレスチナ自治政府のオブザーバー国家資格獲得に対する各国の反応
2012年12月01日付 Al-Ahram 紙


■アブー・マージン(マフムード・アッバース):パレスチナ自治政府がオブザーバー国家資格を得ることをやめさせるための強い圧力があった

2012年12月1日『アル=アハラーム』

【カイロ:アル=アザブ・アッ=タイイブ・アッ=ターヒル、ハーラ・アフマド・ザキー、バースィル・ユスリー ベルリン:マージン・ハサーン ロンドン:アーミル・スルターン アンマン:サリーム・アル=マアーニー ウィーン:ムスタファー・アブドゥッラー アンカラ:サイード・アブドゥルマジード】

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領は、国連にパレスチナ自治政府のオブザーバー国家資格の申請する前の数週間は非常に困難な期間であり、国連に申請しないように非常に強い圧力を受けたことを明らかにした。彼はその圧力について「山でも堪えられぬ圧力であった」と述べた。

また同大統領は、アメリカ合衆国はパレスチナ自治政府に対して国連決議を理由に制裁を支持するだろうと予測した。

エジプトのムハンマド・アムル外務大臣は、パレスチナ人民に対し祝福の意を表明し、この決定を歴史的勝利と論評したうえで、エジプトは今後もパレスチナ問題について協力を続ける確固たる決意であると強調した。

加えて、同外務大臣は、パレスチナ自治政府のリヤード・アル=マーリキー外務大臣へ電話連絡を行い、国連投票の結果と偉大な勝利を祝福した。

一方で、ハマース幹部のガーズィー・ハマド氏は「パレスチナの和解の実践を遅らせる正当性はもはや存在しない」と述べた。

イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン外務大臣は、パレスチナ自治政府大統領の国連総会での演説について、この演説は平和を望まない敵を代表するものだと述べた。一方で、ハトヌア党党首ツィッピー・リヴニ氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相政権はパレスチナが国連の非加盟国オブザーバー国家なったことに責任があると語ったうえで、ネタニヤフ政権が仮にパレスチナ人と交渉をしていたら、国連における彼らの動きを阻止することができたと述べた。

イスラエルのメレツ党党首ザハバ・ガルオン氏は、国連がパレスチナ国家を承認したことを歓迎し、この国際社会が作り出した決定はネタニヤフ首相の顔への平手打ちとなるだろうと述べた。

アンカラでは、アブドゥッラー・ギュル大統領やレジェップ・タイイップ・エルドアン首相がパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領へ電話のなかで、国連の決定への祝福を述べた。エルドアン首相は、アッバース大統領に対し、とても幸せであると表明した。

イギリス政府は、マフムード・アッバース大統領を周縁化することや、パレスチナ自治政府を倒そうとするイスラエル政府のいかなる試みにも拒否すると公言した。またイギリス政府は、国連にパレスチナがオブザーバー国家資格を求めた決議案を棄権したにもかかわらず、パレスチナ自治政府に対し今後とも支援を続けると明らかにした。

フランスのフランソワ・オランド大統領は、パレスチナ自治政府とイスラエルの制約や条件なしの交渉再開の必要性を訴えた。

ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、現在の状況下におけるパレスチナ自治政府のオブザーバー国家資格の獲得が、国際正義の回復の道の最も重要な証になるだろうと表明した。

ヨルダンのサミーハ・アル=ムアーイタ報道担当国務大臣は、この決定はアラブ・イスラエル紛争の道のりにおいて、戦略的で重要な勝利だと述べた。また、イスラーム協力機構アクマルッディーン・イフサーンオール事務局長は、今般の決定はイスラエルによる占領を終わらせる道のりでの歴史的勝利であると述べると同時に、二国家解決の原則に基づくアラブ地域の恒常的平和の機会を強化することに対する国際社会の立場を歓迎した。

オーストリア外務省のシャーロン・バーグ報道官は、圧倒的多数の国家からの(オブザーバー国家資格への)承認は、国際社会からパレスチナ人民への彼らの権利と正義を実現するための働きへの支援の手紙であると述べた。

(後略)

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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:28411 )