BDP議員特権はく奪問題で、AKP内部分裂
2012年12月01日付 Radikal 紙


平和民主党(BDP)党員と無所属の10議員の議員特権に関する摘要が国会に提出された。AKP(公正発展党)ディヤルバクル選出ガリプ・エンサリオール議員は、議員特権はく奪に反対する立場を明らかにしている。

BDP党員と無所属の10議員の議員特権はく奪に関する摘要が国会に提出された。AKPディヤルバクル選出のガリプ・エンサリオール議員は、議員特権はく奪には反対だと語った。

同議員は、自分の票の色ははっきりしていると語り、「この国が、いまだに1994年の苦い経験からくる混乱を一掃できていないとすれば、再びこんな様相を見せてしまえば、地域の人々は「きっと民族アイデンティティのせいでこんな処遇になってしまったのだ」という気分に陥るだろうし、地域の緊張感も増すだろう」と述べた。
レジェップ・タイイプ・エルドアン首相はハッキャーリ県シェムディンリ郡でPKK(クルディスタン労働者党; 非合法組織)党員らと抱擁したBDP党員・無所属議員の議員特権はく奪を望んでおり、エンサリオール議員は、首相とは見解が相容れないと語った。

また同議員は、議員特権はく奪が「トルコに利益となるか、有害となるか?」を議論する必要があると述べ、「エルドアン首相はトルコ共和国の首長であり、 国民の期待や希望に向き合う義務があります。だとすれば、重要なテーマや、国民が社会に対して期待する話題が議論につながります。そのテーマでは、特に抱擁の様子が社会でのかなり激しい憤りにつながり、そして今回の議員特権はく奪問題が議論の的となっています。これを議題に持ってきたというわけです。議員特権問題については、どの党も異なる意見を持っています。共和人民党(CHP)はもっぱら「免責特権」に言及するでしょうし、民族主義者行動党 (MHP)は「テロに関する特権は完全にはく奪しましょう」と言うでしょう」と語った。

■「特権はく奪は分裂につながる」

公正発展党(AKP)のエンサリオール議員は、自分たちでもこの問題について議論したと語り、「私は特権の存在の必要性を主張する側の一人です。このテーマで、BDP党員らが解決の糸口を示す代わりに社会にに緊張をもたらしてしまったものは、残念ながらご存じのとおりです。しかしわれわれは1994年に苦い体験をしました。その時の混乱をいまだにこの国が払拭しきれていないとすれば、今回再びこのようなこと(議員特権はく奪)が起これば、地域の人々に「きっと 民族アイデンティティのせいでこんな処遇になってしまったのだろう」という思いを抱かせてします。また、分裂も促進されるでしょう。国民の代弁者達が立法の任務をすすめる際、いかなる不安や恐怖も抱いてはいけません。束縛されることなくその任務が遂行される必要があるのです。ただしこれは決して誰かに特権を保証するものではありません。もしあなたが犯罪を犯せば、当然、任期後あなたはその罪を清算するのです。国会開催期間に任務を全うする際には、そのような不安のなかにあってはなりません。それ以降、後がないかもしれないからです。このポイントは非常に明確です。以上により、私には特権はく奪には 反対を主張します。ただ、私のようには考えていない人もいます。」

■票の色は明らか

特権はく奪に関し、議会で票決がおこなわれるという状況で、エンサリオール議員は自分の票の色ははっきりしていると述べた。そして「この問題は私のためのものではありません。私は自分の思想を明らかにしていますから票の色も明らかです。しかし問題は、この重要なテーマが国家の未来に関係しており、問題解決を阻んでいる派閥問題と一緒にもってこられると、その点で議論が必要になることです。それさえなければ、個人の票がどちらかはそれほど重要ではありません」と語っている。

■「党内でも意見異なる」

エンサリオール議員は、特権はく奪に関し党内に自分と同じ考えを持つ人がいると明かし、次のように話した:「AKPは全票の50%を得た政党であり、トルコの全社会層を代表する政党です。つまり、党内に非常に多くの考え方があるということです。私のように考える人もいれば、異なる考えを持つ人もいます。議員特権が国やこの問題の解決に有害であり、正しくないと考える人もおり、はく奪が必要だと考える人もいます。クルド人かトルコ人かは関係ありません。この国は結局のところ、われわれ皆のものです。この国で不快な問題が生まれれば、それにより皆が被害を受けます
そういう意味では、西トルコでも多くの議員が異なる考えを持っています。クルド人議員だからというだけで特別視しないことが重要です。」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:28415 )