ミシュアル氏を擁護するアッバース大統領に対するイスラエルの国際広報活動
2012年12月11日付 al-Hayat 紙

■ミシュアル氏を擁護するアッバース大統領に対するイスラエルの国際広報活動

【占領地エルサレム:アーマール・シャハーダ】

2012年12月11日 火曜日 『アル=ハヤート』

イスラエルは、パレスチナ当局のマフムード・アッバース大統領とハマースの政治局長に対する国際的なキャンペーンを作り上げた。その目的は、この二人を、イスラエルの殲滅を呼び掛ける態度を持ち、和平を拒む人物として示すことである。ヨーロッパ諸国において、同キャンペーンに関して様々なイメージが掛けられているが、ヨーロッパの複数のメディアで公表された通り、アッバーズ大統領は「和平を拒み、イスラエルを脅迫する2人」というタイトルでミシュアル政治局長を抱擁する人物として登場している。アヴィグドール・リーベルマン外相の助言と指導のもとでイスラエルの複数の大使館がこのキャンペーンを行うことになっていたが、新聞社10社の紙面広告に掲載するための50万ユーロに及ぶ金銭的負担が膨大であり、イスラエルでも論争を巻き起こしている。一方、ヨーロッパ諸国のメディア評論家らも、イスラエルの名でこのキャンペーンを運営することは困難であると指摘している。そのことは、リーベルマン外相を本キャンペーン実行のために複数のユダヤ系機関と合意させるように仕向けた。

またリーベルマン外相は「このキャンペーンは、ミシュアル氏のイスラエルに対する脅迫を前に世界が沈黙する中で行われており、その脅迫は、3,000戸の住居ユニットを建設するという単なる発表に対して、大きなキャンペーンを扇動している。我々はこれを受け入れることはできない」と述べた。

イスラエルは、ミシュアル氏の脅迫に対して国際社会が沈黙していることは「パレスチナ人にとっての進展の可能性」であるとした状況下において、建設や非認可住宅の取り壊しに関する法の施行といった西岸地区やエルサレムでの政策はエスカレートするだろうと公表した。また、投石するパレスチナ人の集団から逃げるイスラエル兵の写真が公表された後、イスラエルの閣僚によるパレスチナ人のデモの継続を阻止する要求が高まっているが、現在、デモ活動を解散させるために実弾を使用するかどうかについて協議が行われている、と述べた。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ミシュアル政治局長の脅迫に対する「国際社会の沈黙」に疑念の意を表し「パレスチナの大統領が交渉に戻るよう呼びかけている一方、大統領の側近らはイスラエルの破壊を呼び掛けるハマースと一致した意志を示している」と述べた。同首相は、強い姿勢で以下のように述べた。「我々は、パレスチナの過激な姿勢に対する国際社会の沈黙を受け入れることはしないだろう。そして、我々が自身の『歴史的首都』(ネタニヤフ首相による表現)を建設するときに国際社会が問題なく声を上げるが、パレスチナの高官らが全会一致でイスラエルの破壊を呼び掛けても世界は沈黙するということも我々は受け入れない。イスラエルは一致団結し、我々の殲滅を望む敵からイスラエル人民を保護することをを継続するだろう」

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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:28528 )