「無実のオジャラン」イメージ操作に、MHP反発
2012年12月18日付 Milliyet 紙

民族主義者行動党(MHP)党書記長のイスメト・ビュユクアタマン氏は、近頃アブドゥッラー・オジャランが礼拝を行っていることが話題になっていることに触れ、「そうかもしれないが、我々は公正発展党(AKP)政権において、一日に三度、午後の礼拝をした者たちが国家を奪っていったのを目の当たりにした。口では礼拝だとかコーランだとか言っているものが、孤児の権利を際限なく侵害するのを我々は目撃してきた」と述べた。ビュユクアタマン氏は、ビュレント・アルンチ氏が中心となって作り上げようとしている「無実のオジャラン」のイメージ作りににじり寄るよう求められていると主張した。

ビュユクアタマン氏は書面での発表で、 分離主義者首領オジャランの自宅監禁に向けてあるキャンペーンが開始されたと明らかにした。

MHP書記長イスメト・ビュユクアタマン氏は、「分離主義者首領オジャランを自宅監禁に移す計画に向けての世論形成活動」に関して、書面発表を行った。

■アルンチ氏が仕掛ける「無実のオジャラン」イメージ

最近、「無実のオジャラン」などと言う映画が上映されるかのように、AKPの「映画プレビュー」があちこちでなされていること明らかにしたビュユクアタマン氏は以下のように続けた。「ビュレント・アルンチ副首相をはじめとして、この「映画」の宣伝を引き受けている。コラムを担当するような一部の論客らもこの「映画」宣伝に関わっている。あるものが「オジャランはヌルジュかもしれない」と言うと、また別の人がオジャランを「トルコ・ナショナリストは感謝している」と述べている。前もってタイトルが決まっており、シナリオも書かれていたこの「映画」の公開に向けて、親愛なる国民の脈を探りながら、国民の反応を試しているのだ」

ビュユクアタマン氏は、オスロでの発言の一環として「オジャランを自宅監禁に移す計画」が手順通りに進められていると主張した。イスメト・ビュユクアタマン氏はさらに続ける。「この「映画」のシナリオは海の向こう側で書かれたものであり、「公開日」もオスロで決められた。AKPの筋立てはこうだ。オジャランは元々無実で、いわゆる「深層国家」が彼を利用してテロ組織を作り上げた。もはやその「深層国家」は解体されたので、被害者であるオジャランも処罰される必要はない。入れられていた豪勢な刑務所からだすことはできる」

■神はなぜ地獄をお創りになったのか

MHPのビュユクアタマン氏は、宗教を悪用しながら過ごしている人々や、宗教をただの習慣にしている人たちの喉元にあるこのシナリオが、物事がそれなりにうまく収まるようにしているとし、さらに続けた。

「では罪とはなにか。罪深いのは誰か。誰にも罪がないのなら、赤ん坊を殺した者や分離主義者の首領でさえも有罪でないのなら、様々な状況が彼らを(罪深い状況に)引きずり込んだというのなら、神の絶対的な正義はなぜ罪や地獄を御創りになったのか。

宗教を利用して日々を過ごす者たちは、今や宗教的概念を捨て、いわゆるヒューマニスト的哲学を使おうと努めている。彼らの目的のためには、破るはずのない信仰、悪用するはずのない概念など存在しないということを、白日の下に際限なくさらけ出している。

彼らは分離主義者首領オジャランが礼拝したという。そうかもしれないが、我々はAKP政権において、国民の前で一日に三度、午後の礼拝をした者たちが、国家を奪っていったのを目撃した。口では礼拝だとかコーランだとか言っているものが、孤児の権利を際限なく侵害するのを我々は目撃してきた」。

■この論理に従えば、理想主義者が「山」にいかなければならない

ビュユクアタマン氏は、AKPの考え方を生み出している勢力は、1980年9月12日クーデターの時期に、数千もの若者に対してなされたばかげた拷問が、間違いではなかったと考えているのだと説明する。「9月12日のクーデターの最大の被害者であり、虐待や拷問を受けた理想主義者は、AKPの論理に従うなら、「山」にいかなければならないというのか?」と問うている。

イスメト・ビュユクアタマン氏は、過去の迫害された状況を、そして迫害された人々を悪用しつつ、今日圧政に後戻りすることへの認諾書ともいえるこの発表に対し、祖国の子供たちの殺人者(オジャラン)を無実にしないなら、反対しないであろうと述べた。氏は「『ジプシーの若者は勇敢さを自慢して、結局は盗みを白状している』と言う言葉がある。しかし問題はオジャランを無実とし、明らかなプロセスの後彼を刑務所から出すということになってしまうということである」との見解を主張し。さらに以下のように続けた。

「オジャランの『物語』は明らかだ。まずアンカラで理想主義者に対して企てられた流血事件の賛同者となり、その後汚れた権力の手先となり、南東地域で若者を騙して従え、『革命勢力拡大実践』という名のもとにテロ組織をつくり、指揮した。こうした活動を開始した頃、まだ80年クーデターまで3年残っていた。80年クーデターで、彼は出国するのが困難になった、そして間違いなくAKPの思想的兄弟は、クーデター実行者らの同様な過ちゆえに、受け入れられ、力を勝ち取ったのだ。オジャランを、本来はそれ以上の刑罰がふさわしいが、投獄されている刑務所から出そうとしているAKPの考え方は、果たして神の絶対的な正義から、地獄から、どうやって彼を助けることになるのだろうか」

■オジャランに無実を言い渡すことに断固反対

イスメト・ビュユクアタマン氏は、「皆このことを良く知っておかなければならない。オジャランに無実を言い渡すことに断固反対する。このシナリオをトルコ国民に強いようとする人々に対し、我が党(MHP)は反対する。この国民は見捨てられていない」と締めくくった。

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( 翻訳者:白鳥夏美 )
( 記事ID:28602 )