【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】約6年ぶりとなる全国の麻薬中毒に関する最新統計が、ついに発表された。麻薬常用者の平均年齢が約23.5歳から21歳に低下し、また6年前までは使用頻度の低かった覚醒剤が、使用される麻薬の第2位に躍り出たことを警告する内容となっている。
昨日麻薬対策本部の広報サイトが発表した、全国の麻薬中毒に関する統計によると、現在イランには132万5千人の麻薬常用者がいるという。この数字は86年〔西暦2007年〕の数字と比べて、それほど大きく異なっているわけではない。というのも、同年の調査によれば、完全な麻薬中毒に陥っている人の数は120万人以下で、たしなむ程度の麻薬使用者は80万人であることが示されていたからだ。
その一方で、麻薬取締本部研究教育局長が昨日発表した「全国の国民の間における麻薬の蔓延状況について解明する国家プロジェクト」の結果が示しているのは、麻薬の使用パターンが急速に変わりつつあるという事実である。伝統的な麻薬の使用が減る一方で、覚醒剤をはじめとする極めて危険な合成麻薬の使用が増えているのである。
同プロジェクトは、麻薬対策本部の依頼によって、大学ジハード人文社会科学研究所が実施したもので、全国31の州に住む15歳から64歳までの人々を対象に、クラスター・ランダム・サンプリング方法を用いて、数段階に分けてシステマチックに行われた。この調査の結果、15歳から64歳までの年齢層における麻薬ならびに向精神薬の使用率は2.65%であることが判明した。
■ 女性の麻薬常習者が増加
麻薬対策本部研究教育局長は、性別で言えば、麻薬使用者の91%は男性、9%は女性だったと指摘した上で、「女性による麻薬の不法使用を防止するためには、文化機関や予防機関による〔予防のための〕真剣な計画作り・介入が必要だ」と警告した。
サラーミー局長が〔女性の間での〕麻薬中毒予防計画の必要性を強調しているのは、約6年前、〔全麻薬常習者における〕女性の麻薬常習者の割合は5.2%、男性は94.8%だったからである。
■ 覚醒剤の台頭
サラーミー局長が示した統計によると、最もよく使用されている麻薬はアヘンとその派生物質で、覚醒剤、クラック(アフガーニー)、ヘロイン、ハッシッシ、エクスタシーがそれに続いている。また麻薬常習者の84%は喫煙経験があり、麻薬の主だった使用方法は、吸飲、経口摂取、注射などとなっている。
その一方で86年の調査では、アヘン、クラックないし圧縮ヘロイン、ヘロイン、アヘン汁、ノジシック、覚醒剤、ハッシッシ、LSD、コカイン、エクスタシーの順であった。〔‥‥〕
覚醒剤の使用が増えた原因は、この麻薬の価格が近年、劇的に低下していることにある。その一方で、逆にアヘンなどの一部麻薬の価格は上昇している。つまり、麻薬密売業者はこの間、伝統的な麻薬の価格を上げる一方で、合成麻薬をたたき売ることで、〔イラン人の〕麻薬使用のパターンを変えようと狙っているのであり、その戦略は見たところ成功しているのである。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:28721 )