PKK武装放棄への動きは本当か―PKK欧州支部関係者語る
2012年12月31日付 Radikal 紙
PKK(クルディスタン労働党;非合法)の欧州支部関係者のレムジ・カルタルはイムラルでオジャランと続く折衝の内容が武装放棄であると述べた。カルタルは、「オジャランを説得しようと努めている」と述べた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がイムラル島で(収監中の)アブドゥッラー・オジャランとの会合が続いていると述べる中、PKKの欧州担当者である元DEP(クルド系政党民主党)の元国会議員のレムジ・カルタルは会合が武装放棄のための説得に向けられたものであると述べた。
カルタルは、(PKK内の)ヨーロッパ側と(北イラク)カンディル側組織の両者間でいかなる会合も行われていないとし、「オジャランはヨーロッパとカンディルとの接触を押し進めるべきで、イムラルで行われた会合は世間に公開されるべきだ」と述べた。
エルドアン首相がイムラルで会合を行っていることを明らかにしたことを受け、ヨーロッパの週刊紙RUDAW紙のインターネットサイトにPKKの欧州担当者である元DEP(クルド系政党民主党)の元国会議員のレムジ・カルタルは声明を発表し、会合の最も重要な目的がPKKを武装放棄させることであると述べた。
カルタルは「エルドアン首相はイムラルで会合が続いていると言っている。イムラルでアブドゥッラー・オジャラン氏を武装放棄させようと説得している。このことを自身の政治手法で行おうとしている。そのためイムラルに行ったり来たりしていて、会合が続いていると言っている。結果が出るまで主張し続けるだろう。現在結果は出ていないと思われる。しかし結果がでるまで続けると述べている。つまりエルドアン首相のやり方は、クルド問題の解決ではなく、オジャランを武装放棄させることで公正発展党(AKP)の政策を認めさせるよう説得に努めているのである。このやり方は解決(に向けたもの)ではない。解決のためにイムラルで会合が行われるべきだ」と述べた。
カルタルはここ15か月間イムラルで何が起きていたのか知らなかったと述べ、会合(の中身)が世間に公表されるべきだと望む中、「AKPはオジャランを武装放棄させるようと望んでいる。そのために会合が続いている。我々はオジャランが彼らに何と言っているかを知りたいのだ。ヨーロッパとカンディルとの会合はない。オジャランにはヨーロッパとカンディルとの間の接触の仲立ちをして欲しい。この会合があってやっと、何事かを発言できるかもしれない」と話した。
■平和民主党(BDP)のカプラン「解決のためすべてのアクターが参加するべき」
BDPのシュルナク選出国会議員でありアブドゥッラー・オジャラン氏の元弁護士であるハシップ・カプランは、イムラルで会合が続いているとの首相の発言を、ソーシャルネットサイトにおいて論評している。カプランは、必要ならば2013年に武装放棄を実施すること、過去12年から教訓を引き出す必要性について述べ、次のように述べた。
「1999年3月26日に『民主的な共和国』というテーゼが公表された。狙いとして武装闘争の代わりに民主的な政治が前面に押し出されるよう意図していた。1999年最初の和平使節の逮捕・投獄は国家が親和的でないことを表していた。1999年にPKKが国境を越えトルコから撤退したことは大きな一歩であった。欧州連合(加盟)を理由に改革が始まった。しかし、クルド問題に関して施策は講じられず、5年間が無駄になった。AKPはハブル国境門事件、(政府とPKKが接触した)オスロプロセスを活かせず、2番目の平和使節も処罰された。クルディスタン社会連合トルコ会議(KCK)メンバーの逮捕が始まり、政治は中断し衝突が増えた。」
カプランは、エルドアン首相のイムラルに関する発言に関し、「首相は『イムラルで会合がある』と言った。これが最後のチャンスで、うまくたち振る舞えば結果が出る。そうでなければ『最悪のシナリオ』が始まる。武装解除、新憲法、クルド問題の解決は2013年の最重要議題となるだろう。対話、交渉は、排他的、欺瞞的でなしに健全に進められるべきである。クルド問題の解決には、すべてのアクターの関与が不可欠だ。政治的、社会的、経済的、文化的各方面の関与だ。次のことも忘れてはならない。トルコでクルド問題が解決されないままで、中東における根本的問題の解決は不可能である。2013年は困難な解決‐未解決問題が並行する重要な年になるだろう。政治にはさらにたくさんの責任がかかり、民主主義が必要不可欠となる。2013年に同時に3つの選択が開始される。政治的近郊が新たに構築される。政治政党と選挙法の変革が必要だ。国家、政府は、すべてのことをクルド人に期待すべきでなく、(ゲリラの)投降を目的としたり、政治的な曲芸の実施は放棄すべきで、対等で自由な公正な(振舞が)必要である。」
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介
されています。)
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( 翻訳者:酒井 舜 )
( 記事ID:28750 )