■ガザ：ファタハ発足を祝い、大規模集会、ガザのファタハの人気とイスラーム主義者への反対を確認

2013年1月5日『アル=ハヤート』

【ガザ：ファトヒー・サッバーフ】

昨日（4日）ガザ地区では、ファタハ発足と現代パレスチナ（解放）革命の勃発から48年目を記念する行事のなか、大規模集会が行われた。このような光景は長年にわたり行われてこなかったが、ガザ地区でのファタハに対する脈々たる人気を明らかにした。なお、ガザ地区は2007年半ばからハマースが掌握している。

熱狂した人の津波は、通りにあふれ出した何十万人ものガザ住民の洪水となって、ガザ市中心部のアッ・サラーヤー広場へ流れ込んだ。この広場はファタハが「殉教者ヤースィル・アラファート広場」と呼んでいるものだ。またファタハの幹部は、ハマースが以前に行った集会と比較して（今回の式典への）あまりの参加者の多さにショックを受けた。（そのハマース側の式典というのは）ハマースの結成を記念して昨月8日にアッ=サラーヤー広場から遠くないアル=カティーバ広場で行われたもので、50万人が参加したとハマース側は述べていたものである。

（ファタハの）アッバース大統領は、記念式典の参加者に向けたテレビ演説の中で「勝利は来る。我々は誇りを持って、非常に近い将来ガザの地で会うことになるだろう」と呼びかけ、近いうちのガザ訪問を表明した。そしてパレスチナの統一は、イスラエルによる占領の終結への道のりの一歩になるだろうと約束した。

またパレスチナ大統領の上級顧問の複数名が式典に参加した。そして（アッ=サラーヤー）広場では、かつて広場で見られたハマースの緑色の旗の代わりに、ファタハの黄色の旗が飾り付けられた。

この記念式典は勢力を見せつけているように思われた。というのは、ファタハの力のみならず、ハマースを筆頭とするイスラームの（統治）計画と政治力に対抗するリベラル派・愛国主義・民主主義潮流の力を誇示したということだ。特に、アラブの春以降世俗潮流とイスラーム派潮流の並立と分離という中で顕著であった。そして特にエジプトでこの状況は顕著であり、このエジプトに関して述べると、エジプト国内の現状はガザ地区に甚大な影響を与えている。そしてこの記念式典は、ファタハとハマースという二大勢力の国民の人気投票のようでもあった。なお、この両派は長年にわたり、自派がパレスチナ人民の代表であると主張している。

なお、ファタハ中央委員会のメンバーであるナビール・シャアス氏は「国家と勝利」式典の参加者は約100万人で、これはガザ地区の人口170万人の3分の2に値すると推測している。

観測筋は（パレスチナが）分裂し、過去5年間にわたるハマースのガザ制圧の間ファタハの活動を弾圧と禁止したにもかかわらず、ファタハの人気が保たれていたことが、今回の式典に大人数が参加したことの理由だと分析した。加えてオスロ合意に反対し、戦略的選択として武装抵抗運動にこだわるハマースの政策に対する民衆の怒りも式典の参加者が多くなったということではないか、とも分析している。同様にこれら観測筋は、一般の国民に加えてPLO諸派も式典に参加したことも参加人数の増加の理由だとした。この一般国民はハマースとその政策を自らに望ましいものと思っておらず、ハマースに対しもはやこの政党がパレスチナ政治のヒエラルキーの頂点にないという証拠を示すために式典に参加したのではないか、と分析した。また（ハマースによるガザ地区の制圧というパレスチナの）分裂とそれによる影響・結果を拒否することを示しているのではないかとのことだった。

また式典には、イスラエルとアメリカに向けたメッセージもこめられていた。その内容は、ガザ地区内のパレスチナ人民はいつでも政治活動が可能で、占領の終結にエルサレムを首都とする国家の樹立する決意があること、そして占領と入植を止めない限り第3次インティファーダはどんな場面でも起こりうる、というものだった。

一方で、この式典は（パレスチナの）分裂以来の相違から離れ、好意的な雰囲気のなか執り行われた。というのも、ハマース政府が式典成功のための必要措置を講じたのだ。またハマースはファタハへの声明の中で「この式典は挙国一致の式典とみなして執り行い、この式典の成功というものはすなわちハマースの成功でもあり、それはまたファタハの成功でもある。好意的な雰囲気というのは挙国一致への回帰の道のりの一歩なのだ」と祝福したのだ。

またハマース政府のイスマーイール・ハニーヤ首相は「ファタハ幹部からの電話の中で、その幹部は式典の進行をスムーズにしたハマースの尽力に感謝を伝えた」と述べた。ハマース側の幹部も式典に参加する予定であったが、ファタハがハマース側に対し会場の混乱と統制の喪失から出席を取りやめるよう求められたため欠席した。ちなみに、混乱のため式典のいくつかのプログラムが中止になった。

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（ 翻訳者:小島明 ）
（ 記事ID:28786 )