畜産において、家畜を生きたまま輸入することに関し長く協議しているトルコは、貯蔵庫の食肉量超過により、現在輸出を始めている。サウジアラビアには、500万の羊・ヤギをはじめとし、計600万の生きた家畜を輸出する。イラクとは、200万のたね用の家畜輸出のため、契約合意を行うところである。 4カ国との交渉が続けられている。
先日、トルコにやって来た4人のサウジアラビア視察団は、トルコ国内の様々な農場、厩舎、試験場、ミョウバン研究機関を訪問した。食糧農業畜産省は、視察の後、サウジアラビアの視察官らがそれら施設を非常に気に入っていたこと、そして合計600万頭(購入)の合意に達したことを明らかにした。省庁関係者から得られた情報によると、500万頭の羊・ヤギと100万頭の牛(購入)に関する合意がなされ、輸送時期の多くはクルバン・バイラム(犠牲祭)期間に行われる。
巡礼者が屠殺する犠牲獣の多くを、オーストラリア、ニュージーランド、コーカサス諸国から調達しているサウジアラビアは、このように重要な買い物を今年、トルコからおこなう予定だ。毎年約400万の巡礼者がサウジアラビアを訪れ、犠牲獣として捧げられる羊の値段は、去年120ドルと定められていた。
■カタールへも輸出を始めた。イラクと他国へはこれから輸出する予定である。
トルコは食肉価格高騰のため、2010年に食肉輸入を開始した。これまでトルコが輸入のために支払った金額は30億ドルに達している。同時期、60万の生きた肉用牛、約250万の生きた羊・ヤギ、そして約15万トンの赤肉が輸入された。
最近、輸入のテンポが鈍る一方で、貯蔵庫の食肉量と生きている家畜数の増加は、生産者らを輸出の方向へ動かせている。民間部門は、現在カタールへ輸出を行っており、また、省庁関係者は、イラクから2000の家畜要望が来たという情報を伝えている。さらにアラブ首長国連邦、モロッコ、チュニジア、アルジェリアとも合意の段階に達している。
■食料庫満杯に
コンヤ赤肉生産者協会ナズィフ・カラブルト会長は、国内市場が狭まり、食肉貯蔵庫が飽和状態であると述べた。また、食料貯蔵庫には、トルコが必要とする食肉量、5ヶ月分の輸入肉があると述べ、さらに、生産者の手元には相当量の家畜がいることも指摘した。
カラブルト会長は、需要と供給が不安定であるために価格が高騰したとし、省当局も、これを見て、生産者の救済という名のもとに輸出マーケットを開拓するよう努めていると明らかにした。
同会長は、「1キロあたりの食肉処理した肉の価格は16リラである。しかし、私たちはそれをたった13リラにせざるをえない。1リラの国の支援により、14リラになる。なので、私たちは1キロにつき2リラ損をしている」と述べた。
会長は、省当局がここ一週間輸入を非常に制限して、保証書を渡さないとし、「現在、国外からの食肉輸入を望む者に対し、許可を与えていない。法律上の禁止ではないが、非常に制限している。国内にある肉の消費が必要である。貯蔵庫は食肉で満杯になっている」と述べた。
また、2010年以前、約950万あった牛肉のストックは、政府が与える無利子の貸付と奨励により畜産業に参入してきた新たな投資家らのせいで、1150万程度まで増しているとした。
■「600万は誇張である」
農業に関する執筆者、アリ・エクベル・ユルドゥルム氏は、家畜の数字がふつうではないと述べ、「いずれにせよ、600万の家畜が輸出される予定だ。この数は、私には大げさに聞こえる。しかし、もしこの数の家畜が輸出されたら、国内の食肉価格高騰は避けられない。」
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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:28976 )