シリア:テロ攻撃による水不足
2013年01月27日付 al-Watan 紙

シリア:アッ=スワイダーで13の飲用井戸が使用不可能に

2013年1月27日『アル=ワタン』

【アッ=スワイダー:アビール・サイムーア】

アル=マジーリーブ地区からアッ=スワェイダー市へ水を送る配水場が、ダルアー県の東部郊外におけるテロ行為により打撃を受け、稼働を停止した。さらにアッ=サアラ地区の複数の井戸への襲撃もあり、その被害の規模は13の掘り抜き井戸に及んでいる。これらの井戸は、内部に埋設されたポンプに電気を供給するケーブルの盗難により、使用不可能となっている。これにより、アッ=スワイダー市方面に送られていた水の量が大幅に不足する事態となっている。アル=マジーリーブ地区からアッ=スワイダー市への配水量は一日あたり3,000立方メートル、13箇所の井戸の水量は同1万立方メートルであった。アッ=スワイダー市水道局長のガッサーン・マラーイブ技師によると、水道局はこのような事態にあたり、市内の水不足を補うための緊急救援策をとった。これは、予備分の採水設備を速やかに確保した上で、アッ=スワイダー市内に使用可能な井戸のうち、残っている箇所の採水量を最大限に高めるとともに、アッ=ルーム・ダムの浄水場も稼働させるというものである。アッ=ルーム・ダムの水は、アッ=スワイダー市にとって補助的、支援的事業とみなされる。

またマラーイブ局長は、首相府による指導に基づき、テロ行為によってもたらされた全般的な損害への処置をとるための救援計画をすでに策定していたことを明らかにした。この計画は、あらゆる計画の重要性と実質的な必要性を斟酌して決定された最優先事業の一環として実施された。これらの損害により、現在までに344万5000シリア・ポンドの財政的負担が生じている。水道局の2013年の諸事業の予算規模は9億シリア・ポンドだが、こうした作業は、これら諸事業に向けた物質的・財政的経費を使用して行われたという。

マラーイブ局長は、水道局が直面する負担についても包み隠さず説明した。負担が増した原因は全般的な停電であり、とりわけ、つい先日に当県を襲った大雪や、諸般のテロ集団による破壊活動や南部地域における電線への攻撃が挙げられるという。これらにより、県内における数多くの井戸と浄水場の使用が不可能となるとともに、県内で水不足を未然に防ぐため、水道局が給水増大の促進のために必要な様々な施策を取らざるを得なくなった。また、必要かつ重要な事業のいくつかは、ディーゼルの採水器のみでの実施を強いられている。しかしながら、県の面積が広いこと、県内の水道事業が400以上もあること、水道局が入手可能な水利施設が不足していることを鑑み、これらが水道局が施設全般を稼働させることができない原因となっている。その上、マゾート(訳注:アラブ諸国で広く使用される燃料用石油製品)の不足が、水道事業の稼働率低下の原因になっている。

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( 翻訳者:児島祥子 )
( 記事ID:29028 )