ノーベル文学賞にはトルコで誰がふさわしいか?―アンケート
2013年01月30日付 Hurriyet 紙
ノトス誌恒例のアンケートは、今年は「トルコ文学からどの作家にノーベル文学賞を受賞してほしいですか?」と題されて行われ、その調査結果が出た。274人が参加した調査では、トップ3にヤシャル・ケマル、レイラ・エルビル、ギュルテン・アクンがきた。
文学界をリードする雑誌の一つであるノトス誌は、毎年異なったテーマで、恒例のアンケートを行っているが、その第7回結果を2・3月号で発表した。
ノトス誌第38号で発表された今年のアンケート、「トルコ文学のどの作家にノーベル文学賞を受賞してほしいですか?」には、文化・芸術界から274人が参加した。
ノーベル文学賞を最も受賞してほしい作家のランキングは、ヤシャル・ケマルが1位となり、作家のレイラ・エルビルと詩人のギュルテン・アクンが続いた。ランキングに入った他の文学者は、アダーレット・アアオウル、ハサン・アリ・トプタシュ、ムラトハン・ムンガン、イフサン・オクタイ・アナル、エニス・バトゥル、ラティフ・テキン、タフスィン・ユジェルとなった。
■セミフ・ギュムシュ「我々は傾向を知りたかった」
ノトス誌出版部長・批評家のセミフ・ギュムシュ氏はこうしたアンケートを行う理由とその結果を次のように論じた。
「ノーベル文学賞は、我々がそれでもって何もできないのと同様、(関心を持たずに)距離を置くこともできない、一つの大きな関心事である。我々から遠いところで、誰かによって構想され、実現され始めたが、(今となっては)全世界の人々の関心を引くようになった。我々もノーベル文学賞を誰が受賞したか毎年論じてきた。これに注目を注ぎ、肯定的にとらえることもあれば、厳しい言葉で批評した。特に、ノーベル文学賞に誰が値するか否か、もしくは、賞が文学以外のどんな理由によって授与されたかを論じてきた。作家、読者、出版関係者、その他の多様な層の関心を引き、興味をかきたてるノーベル文学賞を、ノトス誌恒例のアンケートの今年のテーマとして選ぶことを決めた。皆がそれぞれに重要と感じ、最もお気に入りの、最も好きな、受賞に値する作家や詩人。今日のトルコ文学の作家と読者とともに、このテーマにおける傾向を示してくれる1つの結果を明らかにするためにである」
■3人に2人がヤシャル・ケマルと言った
●私たちが挙げた作家達から3人の作家を挙げてもらうようにした。このアンケートに加わった274人は、86人の存命の作家の名を挙げた。名前が挙がった作家は、名前が挙げられた数の多い順から並べられている。意味深い集計になると考え、上位20人の作家を公表することにした。
●『トルコ文学からはどの作家にノーベル文学賞を受賞してほしいですか?』という調査で、アンケート参加者274人が第一位にふさわしいとしたのがヤシャル・ケマルであり、わが文学界世論の総意であることを示している。これを我々はすぐにはっきりさせることができる。ヤシャル・ケマルはアンケートに加わった3人に2人が名前を挙げた。ヤシャル・ケマルという名はノーベル文学賞が言及されるさいには、昔からいつも最初に思いだされる名前ではなかっただろうか。
●ランキングでヤシャル・ケマルの後に続くレイラ・エルビル、ギュルテン・アクン、アダーレット・アアオウル、もしくは20人のうちに入ったタフスィン・ユジェル、フェリト・エドゥギュ、セリム・イレリ、フュルザン、アフメト・オクタイ、セザイ・カラコチ、ヴェダト・トュルカリらもまた、トルコ文学の一世代前の作家たちのなかで、最初に思い出される作家たちである。
●この種のアンケートでは、過去の巨匠と呼ばれる作家たちが選ばれることが多い。今回、20人のランキングの半分は一世代前の作家たちからなっているが、残りの半分は新しい世代の作家達が占めていることは、特筆すべき結果であろう。1950年以後に誕生した作家は、ジェミル・カヴクチュ(1950~)とエニス・バトゥル(1952~)に始まり、最も若い世代としてバルシュ・ブチャクチュ(1966~)に至る。つまり、新しい世代の中のさらなる若手のなかで、素晴らしい才能を持った作家らは、すでに古い世代の作家と肩を並べている。このことは、今日の文学界にとって、前途が明るいということをかわって示しているということも指摘されるべきである」
■上位10位
1-ヤシャル・ケマル
2-レイラ・エルビル、
3-ギュルテン・アクン
4-アダーレット・アアオウル、
5-ハサン・アリ・トプタシュ
6-ムラトハン・ムンガン
7-イフサン・オクタイ・アナル
8-エニス・バトゥル
9-ラティフェ・テキン
10-タフスィン・ユジェル
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:29064 )