■サウジアラビア:候補者選びと身辺調査…人生の伴侶の同意のために!
2013年1月31日『アル=ハヤート』
【リヤード:ハヤート・アル=ガーミディー】
今やある家族に名誉ある婚約申し込みをする者についての質問は、出自や物質的条件に限定されない。彼らの娘に求婚する男性の妥当性までもが、決定の基準になっている。またサウジアラビア人家庭の一部では、経歴書と市民登録番号という2点が、結婚相手を探す男性に求められる事項となった。
調査員による新しい方法とその普及は、部族や一族、いとこたちの輪の外で結婚することへの開放性を強化している。部族・一族・いとこ関係は、サウジアラビアの通常の社会生活を数十年にわたり支配していたものである。
経歴書は結婚を申し込む若者についての要約記事だとみなされている。そしてこれは、おそらく彼の職業、学歴、スキル、今までの経歴に関する情報を明らかにし、女性に対する良い指針を与えるのだろう。その若者が経歴書を持っていること自体が、彼がある種の意識があると考えられ、この求婚者に肯定的な点を与えることは言うまでもない。経歴書を持っている求婚者が、経歴書を持っていない者、経歴書を用意しようと考えない者と比べて評価されるのである。
20歳を越えていなかった娘たちの一部でさえ、サウジアラビアにおける両性の社会的分断の中で将来の伴侶と互いによく知り合うために、こういった要求をするようになった。サウジアラビアの社会で今後結婚する若者は、自分自身で望みどおりの伴侶を見つけ、選び出す上で大きな苦難を味わっている。一方で、青年の母親が結婚に向けた儀式を開始するのに適した娘を選び出すという習慣も起きている。結婚に向けた儀式は、通常4つの段階を経て第5段階で終了する。第5段階では、花婿が花嫁を最終的に受け入れるのである。
同一の部族内で適切な妻を選ぶという通常の諸段階は、青年の母親が娘を気に入るというところから始まる。若者は自分の母親が娘に満足し、しかも繰り返しそれを表明しない場合は結婚できない。母親が(息子の結婚相手となる)女性を選んでいる際、母親はその女性の服装、振る舞い、結婚式や家族の食卓での行動に集中するのである。たいていの場合、若者の母親は息子の結婚相手候補の女性があいまいさ、落ち着き、控えめな服装に近い状態だとその女性を気に入る。そうすれば次の段階が来るのだが、その段階とは、若者の母親が、その女性の母親と話をすることである。それは「その女性の家族が、娘の結婚を望んでいるかの感触を探る」ためと、両家の間で関係を結ぶためである。
(結婚についての両家の)原則的な合意の後に来る第3段階は、花嫁候補の女性の側からの求婚者の若者についての厳しい身辺調査である。この段階は、若者の家族内にまで及ぶ秘密裏の厳しい接触から始まる。この接触は、(結婚に対する)彼の希望の程度、外見、気質、そして言うまでもなく彼の親切さ、女性への態度、女性の権利を承認し、それを擁護・増進する程度について尋ねるためである。このことは、結婚相手となる若者が思想と表現の自由から始まる彼女の権利を完全に信じていることが、彼女の安らぎの種となるとの考えからなされる。
同様の文脈で、花嫁候補の女性の兄弟たちは彼女への求婚者の試験を担当する。試されるのは、親切さ、鷹揚さ、道徳性、外見であり、いろいろな人を「スパイ」として彼の許に送り込むことによって行われる。花婿候補に近しい人々にもある程度スパイが送り込まれる。スパイたちは、彼と一定期間会合を共にし、彼を評価する。
(後略)
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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:29066 )