国会で「人種差別」論争つづく
2013年01月31日付 Milliyet 紙


大トルコ国民議会本会議で公正発展党(AKP)、共和人民党(CHP)、平和民主党(BDP)国会議員の間で「人種差別」論争がおきた。

ディヤルバクル県で「セラハッディン・エイユビー大学」という名の私立大学の設立を見込んだ法案について発言をおこなったCHPのウスパルタ県選出国会議員アリ・ハイダル・オネルは、「皆は私達一人一人のためにあり、私達一人一人は皆のためにある。トルコ人とクルド人は兄弟です」と述べた。

すると公正発展党からは、「(差別発言をおこなったCHPの)ビルギュル・アイマン・ギュレル氏はそう言っていない」という声が上がった。オネル氏は「ビルギュル・アイマン・ギュレル氏はとても正しいことを言いました。トルコ国民とクルド民族は同じではありません。トルコ国民とトルコ民族も同じではありません。トルコ国民とクルド民族は双子です。共和国を設立した者は兄弟です」と話した。公正発展党(AKP)と平和民主党(BDP)側は、同氏の「ビルギュル・アイマン・ギュレル氏も正しいことを言っています」という言葉に反発を示した。

公正発展党(AKP)ディヤルバクル県国会議員ジュマ・イチテン氏は、オネル氏に「何度ディヤルバクル県に来たのですか。あなたはディヤルバクル県を知っているのですか?あなたはクルド人ですか?ディヤルバクル県になぜいないのですか?看板(があるだけの)政党ですね。あなたたちは投票すらしてもらえません。あなたたちは、私達を1925 年、1937年、1957年に捨てました。その日からあなたがたはディヤルバクル県に入ることができません。来るには身を清めてこなくてはなりま せん。私達はあなたと平等ではありません、おかげさまで。そもそもあなたと平等になりたくありません。私達はこの国の成員です」と述べた。

再び発言した共和人民党(CHP)のオネル氏は、かつてゲルジュシュ郡知事を務め、ディヤルバクル県に赴いたと話した。オネル氏はイチテン氏に向かって 「ディヤルバクル県に何度も行きました。ディアルバクル県はあなたの父親のものですか?ディヤルバクル県、トゥンジェリ県、アンカラ県すべて皆のものです」と述べた。

CHPのオネル氏は赴任中に、誰にも不当なことをせず、そして誰にも不当なことをさせなかったと述べ、「私は武器商人ではありません。武器商人がどんな法案をこの国会に提出したか、良く知っています。そのうちの一人の名前は(AKPの)ジュマ・イチテンです」と述べた。

■「あなたたちのように頑迷ではないです」

口論が続いたことを受け、トルコ大国民議会議長のギュルダル・ムムジュ氏が休憩を入れた。口論は休憩の後も続いた。

平和民主党(BDP)ムシュ県国会議員スッル・サククは共和人民党(CHP)を人種主義的であると非難した。イスメト・イノニュが1925年に行った演説を例に挙げたサクク議員は次のように述べた。

「あなたがたは共和国建国から今日に至るまで人種主義者であり、民族主義者であり、一元論的です。人びとを虐げる伝統を持っています。毎日ここで、あなた方の祖先が述べたことをあなた達の顔に向かって言います。過去の行為ゆえに、クルド民族や他の民族に謝罪するか、毎日私達を向かいに目にするかです。

チャナッカレ(の戦闘)に目をむけてください。そこではあなた方の祖先だけ戦ったのではありません。のちにこの国を自分の祖国としたコーカサスやボスニアから来た人たちがいます、あなた方はこの国の所有者ではないのです。身の程を知るべきです。そこから来て、山から来て葡萄園の主を追い出す権利などあなた方は持たないのです。何人も(この国の)民を侮辱する権利など持たないのです。」

共和人民党(CHP)会派副代表エミネ・ユルケル・タルハンは、サクク議員の演説を批判する中で、「国会の演台が、このようにむかつき、厚顔で、不道徳な言葉で占められるのを非難します」と述べた。タルハン議員は次のように続けた。

「たったひとつ正しいことを言いました。『何人も(この国の)民を侮辱する権利など持たない』と。非常に正しいですが、アナトリア地方に世界の至るところからやってきた、一緒になろうと溶け込もうとして来た無数の民をあなた方は侮辱しました。『コーカサスから来た者、遠くから来た者』と。私も他の土地からやってきた者です。多分私のことも侮辱しました。ひどく人を傷つけるのですね。以前の過ちをまた繰り返したのです。あなた方は民を侮辱したのです。ずたずたにしました。どのように収拾するするつもりなんでしょう。

あなた方が先ほど自身らを定義した、あの頑迷な考え方から私達はほど遠いです。その考え方を国民的なレベルで乗り越える必要があると考えています。私達はあなたたちのように頑迷ではありません。コーカサスや他の土地から来た者やここにいる者を一人一人数え上げて、あなた達のように見下せません。私達はこうですが、あなた方は誰なのですか?あなた方は毎日民族的アイデンティティー以外に何も話していません。新しい敵をつくるのに励んでいます。人種の選り分けを毎日しているのです。」

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:29079 )