パレスチナ人女性画家、コーヒーで絵を描く
2013年02月07日付 al-Quds al-Arabi 紙


■パレスチナ人女性画家、コーヒーで絵を描く

2013年2月7日『クドゥス・アラビー』

【ガザ】

パレスチナ人女性画家のサルワー・スバーヒーは、毎日自分のアトリエで大きなカップにコーヒーを用意することから始める。彼女はそのコーヒーをいかにも美味しそうに啜ってから、カップに残った分を新しい絵を描くのに使うのだ。

若き女性画家は次のように話す。「この考えを思いついたのは、私がコーヒーをたくさん飲むからです。飲みもので描くというところが気に入ったし、他のアーティストと違う独自性が出せるところも気に入りました」。

サルワー・スバーヒー(23歳)は、絵の具を使うよりコストが低いために、コーヒーを絵の制作に使うと決めたのだと話した。多くの場合、イスラエルに封鎖されたガザの画家たちが絵の具を手に入れることは困難である。

彼女はガザのアル=アクサー大学の芸術学部を卒業し、2年前から絵の制作にコーヒーを使い始めた。

卒業以来、彼女は地域のグループ展にいくつか参加しており、現在は自分の個展を開こうとしている。

「ガザ出身のサルワーとして私が目指しているのは、自分の個展を開いて、ガザで見出される苦難や、苦難以外のことも表現すること。ガザに住むパレスチナ人の画家として、コーヒーを使って外の世界に問題点を目に見える形で示すことです。封鎖下にあってもガザには芸術や個性、創造力があるということを知ってもらうために」

彼女の絵画の値段は、一枚あたり29ドルから39ドルの間である。

絵を観に訪れたヒクマト・ユースフは、サルワー・スバーヒーの作品を観てまわった後、次のように話した。「コーヒーで絵を描くことは、ガザではまだ新しい芸術で、広まっていません。美しいし、素敵な芸術だと思います。展示を回ってみて、コーヒーで描かれた絵は最高に美しいし、素晴らしいと思いました。精神性があり、現実が反映されています。サルワーさんはパレスチナの地で、コーヒーで絵を描いた最初の人です。パレスチナの現実を反映するとともに、パレスチナの現実の美学を反映しています」

イスラエルは、5年前にイスラーム抵抗運動(ハマース)がガザ地区を支配して以来、同地区に封鎖を課してきた。しかし2010年には、国際的な圧力のもとで制限の緩和を始めた。

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:29189 )