アバント・プラットフォーム開催、今年の焦点は「トルコはEU加盟は今も望むか?」
2013年02月09日付 Zaman 紙


第28回アバント・プラットフォームの2日目で、EUとの交渉過程が議論された。会議の主な問いかけは、「トルコはまだEU加盟を望むのか?」であった。

約150人が参加した第28回アバント・プラットフォームの2日目は、雪の降る中開会した。最初のセッションの表題は「EU交渉過程―到達点」、議長はトゥデイズ・ザマン紙のコラムニスト、ニコール・ポープ氏であった。
トルコ・EU交渉過程において長年話し合われた議題は、トルコがEUにどうやって加入するのか、(加盟に向けトルコが)果たさなければならない義務、そしてEUは拒否し続けるのか否かであった。これに対し、昨日の討論は全く違う方向に進んだ。

■「まだ原動力である」

特に外国人の記者や学者の主な質問は、「トルコはまだEU加盟を望んでいるのか?」であった。
ヨーロッパの経済危機にくらべ、トルコ経済は非常に良い状況にあり、首相が上海ファイブをEUの代替として提示したことも話題にはなったが、民主化においてトルコがまだEUの基準を満たしていない、という点では多くの人が同意見であった。
この点に関して、過半数の人々はEUを(改革の)原動力とみなした。ニコール・ポープ氏は、女性と同性愛者の権利のような問題において、トルコとEUの間に大きな溝があることを指摘した。

「EU内の大国の意見は、EUの多数意見を反映していない」とするトゥデイズ・ザマン紙のコラムニスト、ヨースト・ラゲンディック氏によると、2014年後半までトルコは内政問題に忙殺され、EU加盟に関する転換期は2014年後半に始まるだろうという。

国際関係の専門家、ハンス・ケーラー教授は、トルコが、EU加盟を本当に望んでいるならば、ヨーロッパの一般大衆向けの外交を行うことが必要だと主張した。「なぜTRTは24時間英語放送を行わないのか?トルコに関する(ヨーロッパの人々の)見解を、ヨーロッパの大衆政党に任せるべきではない。」

■「大きな支持者はクルド人」

アバント・プラットフォームの実行委員であるジェマル・ウッシャク氏は、批判的な議論を行った。ウッシャク氏は、「我々はEU加盟というスローガンの門前で50年間待たされたが、待たされただけのことが十分にあったとは私には思えない」と語り始め、以下のように続けた。「しかし、EUが我々に期待したトルコ民衆の利となる改革を、一部の政治家たちが拒むような時代もあった。我々自身は改革を行わなかったこの空白を計算にいれると、50年待たされているという数字はいいすぎだ。我々がトルコ人としてEUを非難できるのは、せいぜい最近の5年から10年に関してのみのことだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチのトルコ上級調査員エマ・シンクレア・ウェブ氏も、ウッシャク氏と同意見だった。シンクレア氏は、「EUは交渉過程でやるべきことを行わなかったかもしれないが、トルコもやらなかった」と述べ、「私たちの批判はトルコがより発展するためのものであり、高い期待を抱いている」と述べた。
ユミト・フラト氏は、EUをもっとも支持しているグループはクルド人であると述べた。理由は、EU加盟によってもたらされる民主化と、民族主義が本当に終わるのではないかという希望である。彼によれば、トルコがEU加盟国となればクルド人は別の政府という夢を放棄するだろうという。

■「EUは死んでいない、健在だ」

こうした議論が続くなか、ある意味で議論の一方の側を代表することになったEUトルコ代表部のフランソワ・ヌコディ主席参事官は、「あなた方に吉報がある」と話し始めた。「EUは死んでいない、健在だ。昨日(9日)2014年から2020年の予算が可決された。これは非常に重要なことだと考えている。」ヌコディ主席参事官は、EU加盟交渉プロセスがトルコのための改革にとって重要なツールだと述べ、「長大なクズルウルマク川を越える間に、馬を代えることはできない(物事の途中で方針をかけてはいけない、という意のことわざ)」と付け加えた。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:29193 )