シリアのバレンタイン:血とバラの間で失われる赤
2013年2月13日『アル=ハヤート』
【ダマスカス:AFP】
2年前から続くシリアでの争乱は、多くの人から喜びと幸福を奪いとったが、にもかかわらず、ナワールは明日木曜日(14日)のバレンタインデー祝うと強調する。そして彼は「愛は少しの間、悲劇から僕達の気を紛らわせてくれる」と話した。その悲劇は、彼の国で2年前から続いているのだ。
35歳のサラリーマンであるナワールは「愛は対話を導く」と語り、更に「愛なしには危機は解決しない」と付け加えた。赤いバラとラベンダーの花と人形が、首都の高級地区の一つにある花屋「園の花」の棚を占めている。しかし誰もそんな気分ではない。店主は「売れそうにはない。1,000ポンド分のバラを買っていた古いお得意たちは、紛争を避けて国外に逃れた」と話す。
さらに店主は1束の真紅のバラを指さして「私はバラの花束を3,000ポンド(30ドル)で売っている」と付け加えた。その真紅のバラは「以前は100ポンドだったが、今日では250ポンド(2.5ドル)になってしまったダマスカス・ローズ」で、この値上がりはシリアでの50%に達したインフレの結果である。
ダマスカス中央部の商店街である、シャアラーン地区の別の店では、2つの贈り物が一隅を占めているのみだ。店主のアブー・アフマドはため息をつきながら「1ヶ月前にある人から注文があったきりだ。でも普通この時期になるとプレゼントの山が見えたものだ」と話す。
店員として働くサミール(23歳)は、ダマスカスにあるアッ=シブキー公園の木陰のベンチに恋人のバーナー(18歳)と共に座りながら、断言した。「はっきり言って、今は恋愛にはふさわしい時ではない。僕達は皆暴力に苛まれている。そのとき、遠くで砲撃の音が聞こえていた。しかし、サミールはそれでも「悲しみを忘れるために」ダマスカスのアル=マズラア地区にある「バラダ・クラブ」で、恋人とバレンタインを祝うつもりだが、6ヶ月の間に、彼は国を出てサウジアラビア王国に向かうと言うことだ。
(後略)
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:29266 )