タンプナルの文学から、楽曲へ
2013年02月18日付 Yeni Safak 紙
ジェマル・レシト・レイ音楽協会が3月13日にコンサートを開催する。このコンサートの最大の魅力は、演奏される曲がタンプナルの作品の中から選ばれていることだ。
作家アフメド・ハムディ・タンプナルは、『マーフル・ベステ』(Mahur Beste)、『平安』(Huzur)、『時間統制機構』(Saatleri Ayarlama Enstitüsü)、『アブドゥッラー・エフェンディの夢』(Abdullah Efendi'nin Rüyaları)、『夏の雨』(Yaz Yağmuru)といった小説や、『五つの街』(Beş Şehir)、『テヴフィク・フィクレト』(Tevfik Fikret)、『ヤフヤ・ケマル』(Yahya Kemal)といったエッセイやアンソロジーによって、トルコ文学史に名を残した。
1901~62年に生きたタンプナルは、トルコ伝統音楽に対する評価によっても知られている。タンプナルは、トルコ音楽は次の3つの作品を中心に発展したとしている:アブデュルカーディル・メラーギ(マラーギ)のセギャーフ旋法(マカーム)のキャール(訳注:トルコ古典音楽の主要な形式の一つ)、ブフリザーデ・ムスタファ・ウトリのネヴァーキャール、デデ・エフェンディのフェラフフェザ旋法のメヴレヴィー・アーイニ(儀式音楽)。ネヴァーキャールの代わりに、ウトリのナアト(訳注:ムハンマドを讃える詩。ここではそれを用いた音楽の意)を加えてもよいだろう。タンプナルはデデ・エフェンディについて、 「彼の鷲は太陽へ向かって飛翔する」、「彼の声は、当時もその後の時代も響く唯一の声だ」、「楽譜のはじめの音をいくつか聞くだけで、我々は自分が生きている時代から 解き放たれて、彼が我々のために用意した時代に入るのだ、と言うこと ができる」と語っている。トルコ文学においてこのような表現を行なったのはタンプナルが初めてであろう。また、タンプナルは、アジェムアシランや、マーフル、スルタニーイェギャーフなど、これら全ての旋法を深い思索へ導く扉にたとえている。
ジェマル・レシト・レイ・トルコ音楽協会は、「タンプナルの世界から飛び出した音楽」と題されたコンサートにおいて、作家の作品に登場する作曲家の曲を演奏し、音楽に対するタンプナルの深い理解と情熱を、60年後の今、聴衆と分かち合う。
コンサートは3月13日20時にジェマル・レシト・レイ・ホールで開かれる。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:29297 )