ギリシャのパパンドレウ元首相、イスタンブルで講演
2013年03月03日付 Milliyet 紙


ギリシャの元首相であり社会主義インターナショナル議長を務めるゲオルギオス・パパンドレウ氏は、社会民主主義財団(SODEV)並びにトルコ社会経済政治研究財団(TÜSES)からの招きを受けてイスタンブルを訪れ、「社会民主主義の今日と将来の道程」という題目で講演を行った。

この講演には、セズギン・タンルクル議員とウムト・オラン議員の両共和人民党(CHP)副党首や、オウズ・カアン・サルジュCHPイスタンブル県支部代表も参加した。パパンドレウ議長は、会場から向けられた「クルド問題をどのように見ているか」という質問に、以下のように答えた。

■「今はまだ簡単だ」

「社会主義インターナショナルには、様々なクルド人政党も加わっています。われわれはシリアの反体制派とも連絡をとっています。われわれは一つのグループを形成しながら、オープンな形でクルド問題を議論することに決めました。暴力を内包しない解決策、交渉と相互の話し合いによって生み出される意見を我々は求めています。われわれの基本的なスタンスの一つは、暴力を含まないということです。あらゆる問題は、暴力を含まない形で解決されなければなりません。かつてトルコでは、クルディスタン労働者党(PKK)による非常に多くの暴力行為が見受けられました。私はこの問題の詳細に触れようとは思いません。ヨーロッパの価値観やヨーロッパの枠組みが、この種の問題に対する解決策を見つけるために有用です。トルコには、他の地域同様にマイノリティが存在します。これらの人々は様々な問題の原因となる可能性があります。数年前までは、あらゆることが今以上に困難でした。しかし今日のトルコでは、人々は第2のアイデンティティを口にすることができるのです」。

■「バルカン半島にも存在する」

「こうした人々(マイノリティ)は、トルコだけでなくバルカン半島にも存在します。ムスリムのマイノリティもいます。あらゆるマイノリティグループのまわりに境界線をひいて彼らを分離し、エスニック的に浄化された国家を作ろうとするならば、それはヨーロッパの理念と矛盾します。われわれが共通の価値観を信じていると述べるとき、我々はこれらの境界線を変えることはありません。(むしろ)われわれはこうした境界線に敬意を示します。人権やマイノリティの権利、そして信仰の自由に対して敬意を払います。これがヨーロッパ化するということなのです。これらの地域では、今後境界線は継続して保たれますが、一方でその重要性は失われるでしょう。こうして、この問題に解決策を見出すことができます。われわれもバルカン半島において、エスニック浄化という問題で苦い経験をしました。コソヴォ(で)、アルバニア人の間、セルビア人の間には、現在平和が訪れていますが、これはヨーロッパによって可能となったのです。キプロスではトルコ系住民とギリシャ系住民の間に、新たなヨーロッパの希望が存在しているために、共生の可能性が生まれています。トルコがヨーロッパの方を向くということは非常に重要です。しかし、特にクルド問題という観点からも、これは非常に重要なことなのです」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:29413 )