昨日ディヤルバクルでのネヴルーズのお祝いでオジャランの手紙が読み上げられ、PKKへ「国外撤退」の呼びかけのメッセージが伝えられたのち、カンディルにおけるPKKリーダーであるムラト・カラユランやデュラン・カルカンがPKKのゲリラへ無線で、今回のプロセスを支持するため「軍事行動停止」の指示を与えたことが明らかになった。
治安部隊が行った無線傍受の結果、昨日の朝方、PKKのメインキャンプがあるカンディル山でのPKKのトップであるムラト・カラユランと武装グループクルディスタン社会連合(KCK)防衛委員会のトップであるデュラン・カルカンが無線で組織のメンバーへだした指示が明らかとなった。無線での指示はおよそ20分に渡り行われ、トルコ国内の組織の実行部隊長へ指示を出したカラユランは、この指示を組織の全員へ知らせるよう伝えた。
■「軍事行動停止」の指示
カラユランは無線での指示の中で、PKKは2012年の活動でトルコに対し大きな勝利を収めと述べ、「トルコ政府は我々に対しなす術をもたなかった」と伝えたとされている。情報によるとカラユランは以下のように伝えた。
「人民戦争を最高レベルへ引き上げるために、必要な準備は完了した。しかし我が指導者により進められ始めたプロセスがある。このプロセスに全PKKの部隊は従うことになる。リーダー・アポ(=オジャラン)の平和へのプロセスに我々は最後まで従い、見守る意向である。我々が今いる状況を守り、どの部隊も身勝手な行動は慎まなければならない。越冬キャンプ地にいるグループは、自分たちがいる地域の条件に応じて行動し、越冬キャンプ地に留まるように。どの部隊も身勝手な行動をとらないように。今いる状況を守り、軍事行動停止へ移行せよ。我々の指示にそった行動をせよ。軍事行動停止の指示は必ず全部隊に伝え、このプロセスに関する必要な情報を行き届かせるようにせよ」
カラユランの次に組織のリーダーとして名を馳せているデュラン・カルカンも、PKKメンバーに対し無線で軍事行動停止の決定に関し、包括的な話をしたと伝えられた。カルカンもオジャランが進めたこのプロセスを最後まで支持すると表明したが、撤退の件に関しては触れなかったことが伝えられた。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:松永拓人 )
( 記事ID:29546 )