DTK共同代表トゥールク、トルコ、クルド双方に謝罪したい
2013年03月24日付 Radikal 紙


民主社会会議(DTK)共同代表のアイセル・トゥールク氏は、新プロセスに期待している。成功以外の選択肢はないとするトゥールク氏は、「我々は来るべき場所はここでした。もしも10-20年前にできていれば。我々は社会に謝罪しなければなりません」と述べた。

アブドゥッラー・オジャランの手紙の後、皆が見解を述べ始めた。大部分は肯定的なものであるが、反対の人もいる。DTK共同代表でヴァン県選出の国会議員アイセル・トゥールク氏も、本紙に向けてこの手紙への見解を述べた。トゥールク共同代表は今回、希望を抱いている。しかし政治家として自身にも責任を感じている。「もしこれを10-20年前にやることができていれば。この過ちには私たち政治家にも責任があります。一人の政治家として、トルコ人にもクルド人にも謝罪したいです。」

-アブドゥッラー・オジャランの手紙をどう見ましたか?

私は何も驚きませんでした。なぜならもともとオジャランはこうでした、トルコ側の視点であるという点で。しかし本当に興奮しました。なぜならメッセージが、とても良心的で倫理的なビジョンで書かれていたからです。国の団結、一体性を損なわせるような要求が全くそこにはありませんでした。クルド人だけが利益を得ればよく、他のことには興味はない、というような内容ではありませんでした。

-ディヤルバクルで誰と話しても「今回は平和になる」と言っていますが、その後に「願わくば」と付け加えていますが。

私は今回は成功すると言っています。なぜなら他の選択肢がないからです。皆この紛争と混乱に疲れています。そしてお互いをどれほど苦しめても、来るべき場所はここでした。ですから、10-20年前にできていれば。私たち政治家にも、社会に謝罪する義務があります。「我々は平和をもたらせなかった、うまくやれなかった、申し訳ない」と言う必要があります。

-では、あなたはそう言うことができるのですか?

私たちはメソポタミアの民であるのと同じくらい、アナトリアの民です。クルド人とトルコ人はお互い深く中に入りあっているので、新しい一つのエスニシティーを形成しました。トルコ人は少しクルド化し、クルド人も少しトルコ化しました。もちろん過去にはお互い殺し合いをし、そのため歴史的な過去をリセットしなければ なりません。人々に名誉ある平和の贈り物をしなければなりません。そして私たち政治家にもこの過ちの責任があります。一人の政治家として、クルド人にもトルコ人にも謝罪したいです。

-あなたはプロセスに期待していますか?

クルド人は大変苦しみ、多くの犠牲を払いました。ロボスキ(ウルデレ郡で民間人がトルコ空軍に爆撃された事件)やポザントゥ[拘置所での少年たちへの拷問]だけでも、彼らにとっては反乱の理由になります。1万人の非武装で政治を行うクルド人が不当に刑務所に投獄されることも反乱の理由です。こうしたすべてのことにも関わらず、クルド人が今、共に生き、共に得をすることに言及しているなら、これはオジャランのおかげです。このことを知らねばなりません。オジャランは「勝利か敗北か」ではなく、「中道」を代表しています。そのため、この機会をうまく活かす必要があります。今回は和解し、成功しなければなりません。成功しなければ、真面目にもう一度平和について話し合うのが難しくなります。クルド人は何回も騙されました。集団的記憶があります。今回は騙されたり、もてあそばれたりすることを望んでいません。アフメト・チュルク氏が[イムラル島へ]最初の会談に行った後、一緒にディヤルバクルに来ました。空港ですぐに人々が私たちのところに来ました。「オジャランはどうですか、元気ですか?」と聞いてきました。次に彼らが言ったことは、「これは良い状況ですが、どうか注意してください。今回は私たちを誤らせないでください」でした。彼らは心配しています。私たちはこのプロセスを最後まで支持しますが、注意しつつも楽観の心境です。

-皆が気にしていることは同じで、この後どうなるかということです。

今回は状況が大きく異なります。オジャランは民主的な解決について真剣で毅然としています。カンディルもクルドの政界も真剣で率直です。しかしここでの根本的な問題は、国と公正発展党がどれほど同じ心境かということです。クルド側は、この真剣さと率直さを示すような行動を起こしました。公務員の解放などです。そして手紙でオジャランは、「ともに自由になろう。武器のある政治から、武器のない政治に移ろう」と宣言しました。[クルド側では]この新状況、武装勢力の国外退出について議論されています。では国は、公正発展党は何をするのでしょうか?

-あなたはどうすると思いますか?

この問題では良いこと以外は何も聞きませんでした。政府も実践的な行動をとる必要があります。

-必要な行動とは何ですか?

私たち1万人の政治家、武器を持たない無実の人が[塀の]中にいるのなら、いかなる政治で解決しますか?「政治で解決する」と言っていますが、その時は政治家を解放すべきです。解放は信頼を生みます。その後、問題は次の地点に来ます。憲法ではクルド人の権利はどのように認められるのでしょうか?公正発展党(AKP)の頭にクルド問題の憲法上の解決に関して必ずや何かがあるでしょうが、これを絶対に平和民主党(BDP)とも共有する必要があります。憲法的な担保なしにこの 問題は解決できません。

-オジャランは「ともに赦せ」と言いましたが、トルコ人はそうする準備はできていますか?

この社会の東にも西にも遺体がでました。二つの社会は両方ともこの意味で傷つきました。しかしこれらすべてにも関わらず、この社会は、なんとか共に生きることをやり遂げています。これは重要で、もちろん向かい合う必要があります。向き合った後に赦すべきです。

-手紙を受け、クルド人の信頼はより増したと思いますか?

クルド人は、私たちはオジャランをとても信頼しています。間には階級的なつながりもあります。なぜならオジャランは貧しい村の子供だったからです。オジャランを私たちの一員と社会は見ています。そのため彼が何を語ろうと、社会はそれに賛同します。オジャラン以外のいかなる力もこのプロ セスを始めることはできなかったでしょう。AKPに対して明らかに信頼の問題がありますが、私たちのリーダーがこれを言ったなら、知っていることがあるだろうと思っています。

-広場にトルコ国旗がないことへの批判はどう思いますか?

一部のことは時の流れに任せ、説得を通じて解決することが必要です。あの旗の下でクルド人はトルコ人になるようにと言われました、だから同じ気持ちを持ちたくないのです。でなければ、旗に何の問題がありうるだろうか。共通の価値はあの旗で、トルコ建国にはクルド人も尽力したということです。その旗は共に得たものですが、その後起こったことが、共通性を損なわせました。

-共和人民党(CHP)の態度をどう思いますか?

CHPを新しいCHPたらしめているものは、クルド問題へのアプローチです。このプロセスに関わる必要がありました。CHPは、私たちに情報が与えられ ていない、と不満を持っています。これをAKPがやらないなら、BDPがやる必要があると思います。これも友人たちに提案しました。

-オジャランの演説における宗教的な強調は批判されました。「政教分離がオジャランにも必要だ」と言う人たちもいます。

そこではすべての信仰、すべての文化と言っています。しかしイスラムを、中東におけるその活発な信仰を、誰も軽視することはできません。また、私は文章をそのように読みませんでした。中東地域で宗派や過激派のグループが生じなかったなら、それはPKK(クルド労働者党:非合法)とオジャランのおかげです。PKKは政教分離の担保なのです。

-女性についてもとても強調しました。女性のクルド人政治家としてどう感じましたか?

前回の会談で私たちに与えられた情報の中でオジャランは、「我々が最も成功した問題は、女性問題だ。私にとって、国や、土地や、祖国よりも重要なものは、女性の自由だ」と言っています。このこともあって、クルド人女性の間でオジャランはとても人気があります。彼は女性をとても信頼しています。ある会談で、「我々の闘争で男性は裏切ったが、女性は裏切らなかった」と言ったことさえあります。こうした発言は、もちろん私たちにとってもためになっていて、すぐに男性の前でそのことに触れます。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:29549 )