■エジプト:宗派間衝突で死者および負傷者
2013年4月7日『アル=ハヤート』
【カイロ:本紙】
デモ参加者の若者ら数千人は、ムハンマド・ムルスィー大統領と同大統領が指名したタラアト・アブドゥッラー検事総長に対する目一杯の怒りを、カイロと各県都で行われたデモに注ぎ込んだ。また彼らは、反体制派が「ムスリム同胞団」の支配する新政権に対する運動を展開し続けることを指摘した。
ムルスィー大統領に「退陣」を要求したデモ行進は、カイロ北部のカルユービーヤ県がコプト教徒とイスラーム教徒の間の宗派間衝突による流血の一夜を過ごしたときに行われた。宗派衝突により少なくとも5人が死亡、内4人がコプト教徒だった。
宗派間の暴力が再びエジプトを襲い、カイロ北部でイスラーム教徒とコプト教徒の間に衝突が発生したことにより5人が死亡、負傷者も出るとともに住宅も炎上した。一昨日(5日)の夜を通して続いた一連の出来事は治安の弛緩をさらに深めた。両当事者(イスラーム教徒とコプト教徒)は火炎瓶に加えて銃を使用した。このことは、住民同士の殺し合いが視野に入ってきたことに対する恐怖を確かなものにした。また、事件現場に不在だった治安機関の役割に対する疑問が浮上した。
一方、昨日(6日)「4月6日」運動の支持者らは、同運動の2つの戦線(アフマド・マーヒル傘下および民主戦線)とともに、同運動の創設5周年を記念し、抗議運動に参加した。アフマド・マーヒル(4月6日運動の創始者)戦線のメンバーから成る群衆は、カイロ中心部にある高等裁判所、大統領官邸(イッティハーディーヤ宮殿)エジプト証券取引所の前に集まった後「同胞団」支持者とのもめごとが起きるとの懸念の中、同日夜タハリール広場に集まった。
「民主戦線」の傘下に入っているメンバーは大統領官邸前でデモを行い、同官邸の壁に「ムルスィー大統領は失敗だ」「退陣せよ」などの言葉を書き、大統領官邸前の門前に羊の死骸を積み上げて「ムスリム同胞団」を皮肉った。これは「同胞団」はよく考えもせず自分たちの指導者に従っている、という反体制派の皮肉を意味した。
(民主戦線側の)「4月6日運動」のシャリーフ・アッ=ルービー報道官は「ロイター通信」に対し「われわれは(カイロ中部にある)証券取引所を30分間包囲することによって活動を始めた」と述べた。同報道官は、同運動のメンバーは証券取引所を包囲した後、カイロ東部にある大統領官邸(イッティハーディーヤ宮殿)にバスで移動し、同官邸前で1時間以上にわたってデモを行ったと述べた。同報道官は「われわれは羊を屠殺し、その血を官邸の門に塗りたくり、ムルスィー大統領がその中にいることに対して抗議した。そしてわれわれは羊の頭を門のところにぶら下げた」と述べた。
(後略)
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:29630 )