PKKカンディル首領カラユラン、「トルコにもどって政治活動を希望」
2013年04月12日付 Milliyet 紙
PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)のカンディル・キャンプの首領、ムラト・カラユランは「なぜ我々の代表団をイムラル島へいかせないのか」と発言した。カラユランは停戦実現後、トルコに戻ってクルド人の権利拡大のために政治活動を希望していることも口にした。
カラユランは、海外メディアに向けて会見を行った。彼は停戦へのプロセスに関する質問に答え、撤退の決定はまだ出しておらず、イムラル島との連絡を重視していると語った。
カラユランは、(イムラル島の)オジャランと連絡をとる必要があると主張し、「必要性があるのに、我々のグループをイムラル島へ行かせないのか」と話した。
カラユランは「有識者委員会は全く役に立たないのに、つくられている。議会委員会のためのアピールだった。これを動きとして議論したい。我々は(停戦の)プロセスを止めるのではなく、進めていく側にいるのだ。しかしイムラル島と連絡がとれないまま15~20日経っている。オジャランのそばに行くために、代表団は司法省に申請をしているが、司法省は総理府へ(訪問の可否を尋ねに)行く。そこの許可が出れば、代表団はオジャランのもとに行く。そして後から我々のところへ来る。我々が(オジャランから)来たメッセージについて意見を述べたいと考えると、代表団は再び司法省に申請しに行き、司法省はまた首相府へ行くのである。このこともプロセスの進行を大きく遅らせる要因となっている。停戦のプロセスにおいては、かつての南アフリカのような方法がとられるべきだ。オジャランが隔離されている限り、プロセスに健全なコミュニケーションはとれない。(南アフリカの)マンデラ氏のようにすれば、素早い決定がとられる。決定はより早くなされるべきだ。我々の側が素早く決定するために必要であるのに、どうして我々のグループをイムラル島へ行かせてくれないのか?」と話した。
■「政治的な役割」を果たしたい
インタビューを行った海外メディアの一つ、ニューヨークタイムズは、カラユランが停戦後、トルコに戻るつもりであると報じた。
カラユランは、停戦後トルコに戻り、クルド人の権利拡大のために政治的な役割を果たすことを望んでいると語り、「武力を放棄した後、民主的な社会を築かなくてはいけない」と話した。停戦が成立しなければ、再度戦う用意もあるとし、「停戦が成立しなければ、非常に大規模な戦いとなるだろう」とコメントした。
カラユランは「我々の武装勢力は、戦闘という方法で結論にたどり着くこともありうると信じている」とし、「ゲリラ部隊は武器を捨てることはできない。これが最後の問題だ。これが(停戦)プロセスにおいて、最後の問題として議論されるだろう」と語った。
停戦プロセスにおいて、PKKの下部組織は「トルコの(我々への)歩み寄りを信じないし、信用していない」と説明するカラユランは、「我々はこうした問題を平和と対話によって解決したいと思っている。これは実現できると信じている。しかしクルド人が対等な国民として認められなければ、この問題は解決しない」と話した。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:鈴木直子 )
( 記事ID:29664 )