議員特権法、あっという間に成立
2013年05月09日付 Hurriyet 紙


元・現国会議員に新たな特権をもたらすトルコ大国民議会(以下、TBMM)議員法案が国会に提出されてから2日後、計画-予算委員会での 審議を経てあっと言う間に可決された。ジェミル・チチェキ国会議長は委員会で同法成立を擁護し、「国会議員の身分保障が必要である。「特権」であるとのつくり話が付されている。私の警護を行う警官には身分保障がある一方、私にはそれがない」と述べた。公正発展党(以下、AKP)のメフメト・アリ・シャーヒン副党首は、党内5名の会派副代表の署名入り法案について、エルドアン首相は新聞で知った、と述べた。

■2年間で6千トルコリラ

予算・計画委員会では、AKPの他、共和人民党(以下、CHP)、民族主義者行動党(MHP)の国会議員も、「国会議員は尊厳ある職である」と述べ、法案の支持に回った。CHPイズミル県選出のムサ・チャム議員は、「私の選挙区では、同胞が『私は30年社会保険機構に保険料を支払っており、退職金を月額 1,200トルコリラ受け取っている。あなた方国会議員は、2年間で6,000トルコリラの報酬を受けている』と言う。もっともだと思う。 12,000トルコリラの報酬、月額6,000トルコリラの退職金を受けている。このことが、同胞を愕然とさせ、非常に不快にさせるのである」と述べた。

■コスメセット

法案では質問主意書により2つの変更がなされた。国会議員およびその関係者に美容を含むあらゆる健康に関わる支出を国家負担とする権利をもたらすところの「あらゆる健康関連支出」という表現の「あらゆる」が削除された。また、チチェキ国会議長の指摘により、女性国会議員へも公務員と同等の16週間の出産休暇を認めた。 CHPイスタンブル県選出のメブルト・アスランオール議員は、議員報酬の差押えを禁ずる表現の削除を求め、「『差押えがあってはならない』との表現の削 除を提案する。負債がある場合は、差押えを行えばよい」と発言した。同議員の口頭による提案は、取り上げられなかった。

■昼夜問わず働いているのだ

ジェミル・チチェキ氏は、批判に対し以下の通り答えた:

「法案に署名を行った会派副代表の方々には御礼申し上げる。世論では、議員報酬が上昇する、予想される全歳出をカバーするとの誤解を招く報道が行われている。国会議員という職業[の意味]に関して触れていないのだ。我々が何者で、何を行い、何のために活動しているのか?なにも未知のことを言っているのではない。これほど、議会や議員を敵視することに何の意味があると言うのか?歯を食いしばり国のために昼夜問わず懸命に働いているのだ。国会議員は外交官程の価値を持たないのか?この国で要職に就く者は万人の代表として報酬を受けている。これは額も明らかで、不明なものではない。」

■役人は大邸宅に住む

「あたかも、首相官邸や統合参謀本部の定食の値段は高いのに、議会のそれは安いかのようだ。議会をここまで笑いものにする意味などない。7人のおばあさんが、朝晩にスープを飲み、肉を20トン食べるようなものだ。県知事、郡知事はみな大邸宅にすんでいる。国負担の公用車まで用意されている。我々は議員宿舎から出て行ったのに、国には25万もの公務員宿舎が存在するのだ。あたかも、国会議員に対し秘密の報酬があるかの様である。現行法にはそもそも不足があり、出産休暇が規定されていないのだ。規定する必要がある。」

党会派代表者らによる法案について、来週の通常国会での可決を目指している。

■シャーヒン副党首:首相からの便りはなし

AKPのメフメト・アリ・シャーヒン副党首は、同党5名の会派副代表の署名入り法案について、エルドアン首相は新聞で知った、と述べた。副党首は、自身が出演したAニュースの番組で下記の通り述べた:

「首相はイスタンブルから問い合わせを行った。新聞で法案について知ったようだ。これは一体何なのかと問われたので、『首相』、『私も新聞 で知りました。国会議長在任中に、こういった法案が用意され、私のところに提出されました。在任中は良くないと思いました。現在、恐らく検討を受けて、再提出されており、[ただ]内容に関する情報は私もキャッチしておりません』。首相は、『アンカラに帰ったら取り組もう』と言って電話を切ったのです。つまり、首相も知らなかったということです。昨日、私に電話をかけてきて情報を求めたのは、『自分も新聞で知った』ということです...。それで先の言葉で電話を切ったのです」。

1トルコリラは約56円。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:29913 )