ギュル大統領は原発プロジェクトの話は35年もの後れを取っていると述べ、トルコが単なるエネルギー供給の経由国となるだけでなく、世界のエネルギー市場にトルコ企業とともに位置する必要があると強調した。
アブドゥッラー・ギュル大統領は原子力発電所関連の事業にかんして、トルコは35年の後れを取っており、この件で非常に出遅れていると述べた。
サバンジュ大学イスタンブル国際エネルギー・気候センター(IICEC)主催のIICEC第4回国際エネルギー・フォーラムの開会式で話したギュル大統領は、原発は1967~1970年の間にトルコで検討され始めたが、これらの取り組みがまだこれから実を結ぶ可能性があると述べた。ギュル大統領は「エネルギー需要は増え続けているにもかかわらずトルコが原子力を利用できていないのは大きな課題だ」と述べた。
■韓国は重要な例
ギュル大統領は原発がトルコで議論されている間に、韓国は原発を作り始め、現在は他国でも原発を建設していることに触れ、「韓国はトルコにとって重要な例である」と語った。
大統領はトルコで入札が行われた2つの原発は、エネルギー市場だけに関わるプロジェクトではないと強調し、政治的な意味合いのある大きなプロジェクトであり、非常に遅れたスタートだと語った。また、トルコが自らの原発を作れるようになる必要があると述べた。
大統領は、トルコにはエネルギーの安全性の観点から非常に重要な役割があり、石油や天然ガスのパイプラインがトルコを通って海外市場につながっていると述べ、地球規模のエネルギー地政学において重要な進展がおこっているなか、トルコは単なるエネルギーの通過点として機能する経由国になるのでは足りないと語った。
■「強力な企業が必要」
ギュル大統領は、中東と北アフリカで始まった市民運動とともに始まった歴史的な転換期に、エネルギー分野におけるカードも再分配されており、トルコも機を逸することなく強力な企業とともに、すぐそばにあるエネルギー生産の中心に位置する必要があると強調し、これはトルコ会社(TPAO)をはじめとした強力な企業の存在があれば可能だと述べた。
国外のエネルギー市場で活動しようとする民間セクターの企業は規模において不十分であると述べ、これらの企業にも合弁企業をつくるよう勧めた。
■トルコの役割は増している。
サバンジュホールディング取締役でサバンジュ大学理事長のギュレル・サバンジュ氏は国際的なエネルギーの生産・消費がもはや発展途上国に移っていると述べた。サバンジュ氏は、政策決定者たちはエネルギーに関する地球規模の進展を最適な形で検討する必要があると語り、トルコの役割が増していると述べた。サバンジュ氏は「地球規模のエネルギー環境におけるトルコの役割と重要性が増している。イスタンブルは光栄にも世界全体のエネルギーの合流点となっている。(イスタンブルは)単に大陸間をつなぐだけでなく、地域・世界全体のエネルギーの未来がより明るいものとなるのを確かにするような戦略的位置にあるために、IICECをイスタンブルで設立しようと決めた」と述べた。
IICEC運営委員会のファーティヒ・ビロル名誉会長も、特にシェールガス革命により石油と天然ガスにおいてコスト安の契約が可能となり、これがトルコの経常収支にプラスを与えてくれることになると語った。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:29922 )