「トルコ(人の)国旗」か「トルコ(の)国旗」か?―国会解決委員会で論争
2013年05月15日付 Hurriyet 紙
国会解決委員会で公正発展党(AKP)のメフメト・メティネル議員と平和民主党(BDP)のヒュサメッティン・ゼンデルリオール議員の間 で「トルコ国旗」[呼称]論争が巻き起こっている。ゼンデルリオール議員は、服役していたことを説明する際に、次のように話した。「『お前はトルコ(人の)国旗の敵だ』と言われたことがある。『旗は肌身離さず持っている、もし敵なら持ち歩いたりせず捨てているだろう』と反論すると、メティネル 議員は『何がトルコ(人の)国旗か、トルコ(の)国旗である、全てをトルコ人化しようとしている』と言った。」
メティネル議員の「委員会の仕事は、[PKKメンバーの]国外退去後、どのように彼らを社会に受容するのかについて措置をとること」との発言に対して、AKPのファトシュ・ギュルカン議員は「テロ組織のメンバーと位置づけた仲間の社会復帰に関しての発言ならば、社会からの反発は必至だろう」と述べた。ギュルカン議員は次のように続けた。
■現地の不安
「現地へ行ってみると、不安感に満ちていた。『テロ組織のメンバーは国外へ向かっている、その多くがトルコ国籍者だ。シリアで集結してまた何か活動を始める のでは?あなたは就業の機会をつくって、公務員にし、他の可能性を提示して、優先的扱いや特別扱いを認めるのですか?』と。しかし特別扱いにして何かが起これば、社会から我々は顰蹙を買うだろう。」
■「マスコミには黙っておこう」提案
AKPのイドリス・シャーヒン議員は「ここでの発言に異なる解釈を施しうる、それによって和平プロセスに悪影響が及ぶ」として、委員会 活動についてマスコミには公開しないよう提案した。国会解決委員会のナジ・ボスタンジュ委員長はこれに異議を唱え、「秘密にすれば嘘や間違った報道が行われる恐れがある。私は2年間国会に勤めるが、秘密が通せたのを見たことがない、マスコミ関係者はどこからか情報を得るものなのだ」と話した。
■ゲリラかテロリストか
BDPのハリル・アクソイ議員は、拷問で兄弟が殺されたのを目の当たりにした過去について話し、「悲しんでいる母親たちは自分の子供がテロリストだと思いたくな どない。戦闘員と言えるかもしれない、しかしテロリストと呼んでしまえば、その意味が大きく変わってしまう。和平プロセスにふさわしい言葉を用いるのがいい」と話した。AKPのハリル・ウリュン議員は「ちょっと考えてもご覧なさい、PKKはテロ組織ではないと。イマーム、教師、親の腕に抱 かれた赤ん坊を殺したのは誰でしたか?兵士だけでなく、同じクルド系市民をも殺した人々を、どう考えるべきなのでしょうか。『お前らゲリラだな、子供たちをよくも殺したな、ちょっと来てもらおうか』と声をかけるべきか、それとも『お兄さんたち、罪を犯した人がいたら罪を償え』というべきか。テロリストはそもそもトルコ語ではなく、人殺しや殺人鬼といったらいいのでしょうか」と話した。
■レイハンル爆破事件、撤退へ影響なし
AKPヤルチュン・アクドアン議員は、レイハンルのような爆破攻撃が起こる可能性があるとし、「(PKKの撤退)プロセスにおいて、組織内部で分裂や異なる意見がある可能性が指摘されていたが、実際にはなかった。カンディルは一致してオジャランの呼びかけに応じた」と話した。またレイハンルの事件によって撤退プロセスが停止することもないとし、「なぜならば社会的反発が強いからだ」と話した。
BDPゼンデルリオール議員は「もう3カ月誰も死んでいない、泣いた母親もいない、血も涙も流れていない。しかし誰かが常に不安を抱いている」と述べた。
AKPサーリフ・フラト議員は「共和人民党(CHP)と民族主義者行動党(MHP)の扉が開くまで何回でも叩き続ける必要がある。彼らがこのプロセスに関わらなければ、委員会がまとめる報告書を巡って議論が巻き起こることになるだろう」と語った。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:29965 )