CHPクルチダルオール党首、レイハンルの「主犯」はエルドアン首相
2013年05月15日付 Milliyet 紙

共和人民党(CHP)ケマル・クルチダルオール党首は「レイハンルで亡くなった51人の犯人はレジェプ・タイイプ・エルドアンである。その責任はレジェプ・タイイプ・エルドアンにある」と語った。

会談のためブリュッセルを訪問したクルチダルオール党首は、欧州議会社会民主進歩同盟(S&D)の会議に出席した。同党首は、会議の後ハンネス・スウォボダ代表と記者会見を行った。

クルチダルオール党首は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が昨日(5月16日)、バシャール・アル=アサド大統領を同党首が支持しているという旨の発言をしたことについて質問を受けた。「アサド政権を支持したことはない。アサドと休暇に出かけたこともない。アサドを『兄弟』と呼んだことも ない。呼んだのは誰だ?エルドアン自身だ。休暇を過ごしたのは誰だ?自身だ。アサドと握手をしたことも、会合をしたことも、話したこともない。自分自身がやったのだ」と述べた。

またシリアの平和を望んでいると述べ、エルドアン首相に対してトルコでシリアの両勢力を招いた国際会議の開催を提案したが、それが却下されたことに言及した。

さらに、現在アメリカ合衆国とロシアが同様の趣旨での国際会議開催を決定したと指摘し、次のように述べた。

「トルコはあるべき立場を失っている。武装急進勢力をトルコで養成し、金を与え、手に武器を持たせてシリアへ送り込むことが、いつからトルコの首相の仕事になったのか?

レイハンルで亡くなった51人の犯人はレジェプ・タイイプ・エルドアンである。その責任はレジェプ・タイイプ・エルドアンにある。レイハンルに行って市民に尋ねればいい。ハタイで、クルクハンで、サマンダーで、イスケンデルンで尋ねればいい。この無辜の人々に何の罪があったというのか?CHPを非難し始 めている。『CHPはアサド政権を支持している』と。我々は、いついかなる時も、圧政的体制を支持したことはない。まさに、公正発展党(AKP)政権を支持しないが如く。」

アサド政権とエルドアン政権が「圧政的」であり、両者には「濃淡の違い」しかないと述べ、「民主主義の観点から、2人にどんな違いがあるというのだ?」と問うた。

■「弱点」という単語の意味を知れ

クルチダルオール党首は、レイハンルの爆発に関して「インテリジェンス上の弱点はなかった」というエルドアン首相の発言も論評し、次のように語った。

「ならば、『弱点』という単語の意味を知れ。これはある種の告白である。それをした人物がこの国の首相である。あなたは事件の発生をあらかじめ知っていて、対 策をせず、51人の命が失われる。その後、現れてきて『意思疎通に不備がある』というのだ。それならお前の仕事はなんだ?お前が首相ではないのか?この意思疎通に不備を招いた者を明らかにしたか?責任を問うたのか?いや、していない。」

■「トルコで人々は自らの考えを自由に口に出せない」

共和人民党クルチダルオール党首は、ブリュッセルでトルココーヒー・ブリーフィングの中で欧州議会関係者と新聞記者らと会合をもった。

同党首はここで行ったスピーチで、トルコが変革のただ中にあるとし、「トルコは変化を経験している国である。変革が前へ向かっているのなら、個 人の権利や自由を拡大しているのなら、民主主義の質を向上し、深めているのなら、これは非常に重要な変化である。我々が望んでいるのもこれであ る」と述べた。

また、トルコが本当の意味で自由な国とならなければいけないと述べ、

「トルコで人々は自身の考えを自由に口に出しているか?この答えを、遺憾ながら述べよう。イエスではない」と表現した。

さらに、トルコにおける根本的な問題は、9月12日クーデターがもたらした法律が未だ現行法であり、憲法もまたこのクーデターの産物であることに由来していると説明し、CHPは、クーデター期に発布された法律すべての修正を目指し政府に呼びかけを行ったものの、それに返答は無かったと述べ た。

「憲法改正は若干難しい。しかし[当時つくられた]諸法律の改正はとても容易だ」とし、以下のように続けた。

「憲法改正について、全く希望がないわけではない。しかし、私を絶望させた出来事がある。この問題が審議される際に、各党が特定の議題について歩み寄りを見せ る中、AKPは審議の最中に大統領制を持ちだした。このシステムは、そもそも既存の権威的構造をさらに強化するものである。」

トルコで民主主義と自由の闘争を続けてきたというクルチダルオール党首は、こうも述べた。「憲法の問題に大統領制を持ち込むことは、トルコの150年の議会制の歴史を揺るがすクーデターである。」

■「プロセスを我々は知らない」

解決プロセスに言及したクルチダルオール党首は、クルド問題解決に向けてCHPがある道筋を提案し、議会内の解決委員会とこれに平行して議会外で「賢人」会議の設立を提案したとした。

これらの提案は受け入れられず、そしてCHPはなぜ解決プロセスを援助しないのかという問いを受ける羽目になったといい、「どのプロセスのことをいっているのか?わからない。どのプロセスに協力するのだ?あなた方は何を協議したのか。どんな譲歩をしたのか、しなかったのか?そのことについても誰も知らない」と表現した。

■EUへ国民投票と拘留中の国会議員の批判

クルチダルオール党首はEUも批判し、CHPがトルコの国民投票および憲法改正が間違っていると述べたにもかかわらず、EUはトルコが重要な改革を行っており司法の独立が侵されることは無いと主張し、しかしその後数人の司法関係者が辞職させられたと述べた。

また、拘留中の国会議員らの状況についても言及し、「EUがこの件について沈黙を守ることを不快に思う。進展報告書の中の数行の批判し、それだけだ。これに満足しない」と述べた。

クルチダルオール党首は、EU当局に対しスィリヴリでの裁判審理に注目するよう求めた。

■「どの近隣国とも不仲」

クルチダルオール党首は、政府のシリア政策が誤りであるとし、アタチュルクの「祖国に平和、世界に平和」という言葉を引き合いに出し、「AKPは与党に なって、『善隣友好政策を続ける。全近隣国と和平を実現する』と言った。皆が拍手を送った。今現在、どの近隣国とも不仲である」と話した。

シリアで民主主義が存在せず、独裁的な支配者がおり、人々が殺されていることを指摘して、「しかし、シリア問題を、急進分子をトルコに連れてきてトルコからシリアへ送り込むことでは解決できないだろう」と述べた。

また、シリアでの危機がシリアの内政問題であると強調し、国際アクターが参加する可能性があると述べ、アメリカ合衆国とロシア両国の試みにより開催される国際会議が問題解決に大きく貢献しようと述べた。

その上で、「どうして別の国で衝突している者達の野営地がトルコなのか?我々はこれを認めていない」と述べ、政府のシリア政策を批判していると述べた。

■アサドではなく「サッダーム」と言った

クルチダルオール党首は、同党首がシリアのバッシャール・アサド大統領を支持しているとする発言を論評する際に、アサドではなく「サッダーム」との表現をした。

「我々に、あなた方はサッダームを支持しているのでしょう、との発言がある。ノーです。圧政的ないかなる体制も、人民を虐げるいかなる体制も支持しない。ましてや、そうした場所へ武装活動家達を送り込むこともしない」と発言した同党首に、党関係者らは注意を促した。

「シリアで火事が起こって、灯油をもって現場へ行き、火事はトルコにも飛び火した」と表現するクルチダルオール党首は、「トルコを中東の泥沼に押し出そうとの要望がある。トルコは進行方向を西へ向けた、現代文明へ[顔を]向けた国である。中東の国ではないのである。そうなってはならないのである」 と述べた。

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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:29971 )