ムーディーズ、トルコの投資評価を上方修正BAA3へ
2013年05月16日付 Radikal 紙


(昨年11月の)フィッチ・レーティングスに続き、昨晩(5月15日)ムーディーズもトルコの格付けを投資適格級へ上方修正した。

世界的な信用格付け機関ムーディーズは、トルコの格付けを「Ba1」から投資適格級とされる「Baa3」に上方修正し、見通しを「安定的」とした。これを受け、本日(5月16日)のイスタンブル証券取引所のナショナル100種指数は、前日比1.25%上昇の93,096ポイントで始まった。トルコ国債の指標となる2年債利回りは、ムーディーズの格上げ後、スポット市場では4.67%で取引が始まり、過去最低水準を更新し4.64%まで下落した。

トルコは、フィッチ・レーティングスに続きムーディーズからも投資適格級(の格付け)を得たことで、これまでトルコへ向けられてこなかった投資が入ってくるようになる。

ムーディーズによる今回の格付け上方修正は、経済・公的財政指標の改善、国際的な資本フローに対しより弾力性を持つと期待される構造・機構改革によるものとされている。

ムーディーズのサラ・カールソン上級アナリストは、ロイター通信の電話取材に対し、トルコの経済・公的財政指標は、Baa3格付けを保持する他の国々よりも一般的に良好だが;同じ格付けにとどめるのは外部ショックに対しより脆弱であるからだ、と述べた。

スタンダード銀行のティム・アッシュ氏は、「信じ難いことだ…ムーディーズは、先週トルコの格付け修正の可能性は低いと警告していた。長期に渡り(格付け修正の)資格は得ていたのだが、(格付け修正は)恐らく市場の評価を受けてのことであろう」と述べた。

アリ・ババジャン副首相は会見で、ムーディーズによるトルコの格付け引き上げは、経常収支赤字の減少、内需・外需の均衡、公共財政の力強さと国内貯蓄の増加、外国へのエネルギー依存の減少、競争力強化に向け行ってきた構造改革によるものだと話した。

同副首相は、「経済面で我々が行ってきた正しい試みにより、トルコの国際市場指標が長期的な投資水準で信用力のある国々と同様の水準に達した。今般の決定により、市場の指標とトルコの信用力がより合致することとなる」と述べた。

メフメト・シムシェキ財務大臣は、国外からの長期的投資の導入ピッチを上げ、成長に積極的な後押しを行うと述べた。

ムーディーズは、2009年初頭以来、トルコの債務残高は対GDP比率で10ポイント改善し管理可能レベルである36%まで下がり、今後数年間はこの状況が続く見込みである、と発表した。

ムーディーズは、トルコの国債発行能力を強調し、全債務残高における外貨建て債務が比較的少なく、比率が低下したと述べた。格付けでは、2012年末来、全債務残高における外貨建て債務比率が2003年の46.3%から27.4%まで減少した、と評価された。

ムーディーズは、トルコが外的ショックに対応すべく一連の改革を行ったことで良好なインフラが整ったとし、個人年金制度への参加を促すための新たな奨励策、エネルギー輸入抑制を目的としたエネルギー効率の改善を例として挙げた。格付けでは、エネルギーの輸入が経常収支赤字の最大の要因であると注記されている。

また、ムーディーズは、トルコが2012年に新商法を導入したことでコーポレートガバナンス基準が改善し、一般的には競争力の強化につながるだろう、と述べた。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:29986 )