世界的格付け大手のムーディーズ、フィッチに続き、日本格付研究所(以下、JCR)もトルコの信用格付けを引き上げた。
JCRは、トルコの信用格付けを「BB」から「BBB-」とし、トルコを「投資適格級水準」に引き上げた。見通しは、「安定的」とされた。JCRの書面発表によると、トルコが世界的経済危機の影響から見事に抜け出したことが注目される一方、経常赤字、インフレ、外貨準備高の不足が懸念事項として指摘されている。この一週間で2度、トルコの格付けが引き上げられたことを評価する経済担当アリ・ババジャン副首相は、国の信用格付けが、フィッチ、ムーディーズに続いてJCRによっても「投資」レベルに引き上げられたと述べた。ババジャン副首相は、「今日格付けの引き上げは、トルコの日本をはじめとする非常に多くの市場へのアクセスを容易にし、トルコに対する投資の関心を高めるだろう。直近の格上げは、トルコが慎重かつ一貫した経済政策を断固として進めてきた結果である。我々が成し遂げた構造改革、公共財政および金融政策における力強い姿勢、時宜に適ったマクロ健全性対策により、世界不況を上手く乗り越えることが出来た。大手格付け機関3社がトルコに「投資適格級」の評価を与えたことは、トルコの成長・雇用状況が非常に力強く、バランスの取れた経済構造が世界中にどれだけ広く評価を受けたかを示している」と述べた。ジェヴデト・ユルドゥズ開発相も、格付けの引き上げは、アジアの大規模資本がトルコへ流入するにあたり資するだろうと述べた。同相は、「米国債の一番の買い手は、中国および日本である」と想起させ、「こうした外国直接投資・長期外国債の増加が、成長や経常赤字の質の向上や脆弱性克服の期待を示す」と述べた。青年実業家協会(GYİAD)のアクダル・トプラク会頭は、下記の通り書面発表を行った:「JCRによるトルコの信用格付けの引き上げは、最新の政治状況や解決プロセスを明らかにする環境も影響していると発表することは非常に重要である。この枠組みにおいて、トルコの政治・社会的安定を、歴史的問題で最小限の和解をしながら守ることがより一層大事なこととなった。経済面でもトルコは投資適格級の国としての影響力を発揮できるようになるべきだ。」
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:30064 )