競争評議会と≪モンタージュ≫製造者らの攻防つづく:「市場価格での自動車販売は違法」
2013年05月19日付 Hamshahri 紙
【ハムシャフリー・オンライン】【経済班:アリー・エブラーヒーミー】国産車と《モンタージュ》車[※1]の価格設定の詳しい手順の規定に対し、競争評議会が力をもたないこと、また、同評議会の承認事項に対する実効的な手段をもたないことが原因で、人気国産車[※2]の多くが市場に出回らないまま、《モンタージュ》車が市場価格で販売され、消費者が取り残される事態が続いている。
※訳注1:輸入部品による組み立て製造をイランでは《モンタージュ》と呼ぶ。いわゆる「ノックダウン」生産を指す。
※訳注2:イランの国産自動車の多くはライセンス生産車である。
■競争評議会の通告に反し、≪モンタージュ≫車を市場価格で先行販売
[中央銀行から]国内自動車製造会社への、人気国産車の価格公表から数週間が経った。これらは価格引き下げを最小限にとどめたものであった。そして、自動車製造会社各社は、《モンタージュ》製造車の価格が規定されていないことを理由に、市場への製品供給を止めている状態である。《モンタージュ》製造者らは、価格引き下げ(低価格据え置き)に対し、積極的な姿勢を見せないだけでなく、《モンタージュ》車の先行販売に際し、[競争評議会の要請により中央銀行が提示する価格ではなく]市場価格で対応したのである。
■競争評議会の規定以外での価格決定は違法
競争評議会は、市場価格での《モンタージュ》車の販売を違反とし、《モンタージュ》車のセクトラル・インフレ率 [特定業種内、もしくは、特定製品インフレ率] 決定のための新たな基準と価格の発表を中央銀行に求めている。
競争評議会のジャムシード・ペジュヴィヤーン会長は、[すでに価格発表された以外の]他の車種のインフレ率の計算も現在進められている最中で、さらにこの作業には時間を要するであろうと発表した。加えて、競争評議会が定めた手順以外の形で決定された価格は、違法であると発言した。
■モンタージュ車のインフレ率は国産車の3倍になるはず
これに対し、自動車製造者協会事務局長は、ハムシャフリー記者とのインタビューのなかで、市場価格による≪モンタージュ≫車の先行販売に対し、擁護する立場を示した。
アフマド・ネエマトバフシュ事務局長は、自由レートで自動車部品を輸入していることを考慮するなら、国内の《モンタージュ》車価格のインフレ率は、人気国産車の3倍になると述べ、市場価格による取引に理解を示し、以下のように発言した。
競争評議会に提示された《モンタージュ》車の価格を分析すると、それ以上価格が下がることはなく、むしろ、価格は上乗せされるだろう。現在、≪トンダル[雷鳴]90≫車[※3]の部品のコンプリート・ノックダウン方式での輸入にあたって、自動車製造会社はルノー・パールス社に 2億8000万リヤール[約93万円]支払っているが、塗装やボディの組み立て、ナンバー登録、保険などを含めれば実際の同車種の価格は、3億9000万リヤール[約130万円]にもなるのである。
※訳注3:ルーマニアの自動車製造会社「ダチア」の小型自動車「ダチア・ロガン (Dacia Logan)」のペルシア語でのネーミング。親会社ルノーが世界的に販売展開しているが、日本では取扱いなし。
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( 翻訳者:8400001 )
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