エジプト:イスラエル系企業とグランド・ルネッサンス・ダムの関係
2013年05月24日付 Al-Ahram 紙


■イスラエル系企業、グランド・ルネッサンス・ダム(エチオピア)の電力販売と送電を受注、ムルスィー大統領のアディスアベバ到着より数時間前

2013年5月24日『アル=アハラーム』

【本紙、ムハンマド・アル=アジュルーディー、イスラーム・ファラハート】

本紙に対して信用に値する情報筋が昨日(23日)明らかにしたところによれば、エチオピア政府は、エチオピアでの送電・電力供給・運営の業務をイスラエル系企業に委託したという。その中には、現在第1段階の実施が行われているグランド・ルネッサンス・ダムで生産される電力も含むという。同情報筋は「これの意味するところは、このイスラエル系企業が当ダムで生産される電力の販売とマーケティングを可能にし、エジプトやスーダンへの流入が許可されている水量を限定し、当ダムで貯水されている水の量を恣意的に支配することを意味している」と付言した。

匿名希望の同情報筋は「複数の大国や湾岸諸国がエチオピアで数万ヘクタールに及ぶ第農業投資プロジェクトの実施の提案を提出している。それらのプロジェクトは、耕作物の灌漑において、グランド・ルネッサンス・ダムが建設されることで作られる湖で貯水される水に依存する。結果として、エジプトの割り当てであるエチオピアの水源からやってくるナイル川の水に大きな負の影響を与えることになるだろう」と伝えた。

さらに同情報筋は「このエチオピアの方針は、ナイル川の水源におけるイスラエルの存在感を強めるだろう。結果としてエジプトの国家安全保障に影響を与えることになる。そうした兆候は、エチオピア政府がグランド・ルネッサンス・ダムの建設第一段階において新規労働者を30,000人の任命を発表したりした中に見られるが、エチオピアがグランド・ルネッサンス・ダムの影響評価参加国会議(エジプト、スーダン、エチオピア)の助言やアウトプットを無視して、グランド・ルネッサンス・ダムの建設に臨んでいることは明らかだ」と述べた。

ムハンマド・ブハーエッディーン、エジプト水資源・灌漑相は、エジプト、スーダン、エチオピアの灌漑専門家らによって構成される参加国会議は、グランド・ルネッサンス・ダムプロジェクトの評価報告書の発行を以て、今月末にその作業を終える予定だ」と述べた。

水資源相は、カイロで開催された「農業・灌漑・漁業・食糧生産組合アラブ連合」の会議に労働力・移住相のハーリド・アル=アズハリー氏とともに出席した際に「われわれは、他国に損害を被らせないことを条件に、あらゆる国家の開発プロジェクトにも反対はしない」と述べ、地域的性質をもつあらゆる開発プロジェクトが、関係各国の最大限の利益を実現できるようになることを要求した。

さらに同相は「エジプトは年間地下水220億立方メートルを利用する準備をしている。そのことは、それらの水が汚染されていないことを確認したうえで、国の水需要を鑑みて行われる」と付言し、最大限の利益を実現し、最小限水を消費する品種の作付けを発展させる必要性を求めた。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:西舘康平 )
( 記事ID:30086 )