トルコ最大のサクランボ生産地の一つであるデニズリ県ホナズ市で、サクランボの収穫量が昨年の60~70%減少した。
これにより、サクランボの価格が高騰している。昨年2~3リラだったものが今年は7~8リラで売られている。生産者は、サクランボの開花時期に天候が荒れ、気温が低かったため、ハチによる授粉が十分に行われず、サクランボの生産量が落ちてしまったと語っている。一般的に「ナポレオン」という名前で知られる、「ズィラート(農業)0900」種のサクランボは、ホナズ市、イズミル県ケマルパシャ市、スペイン、ギリシャで同時期に栽培されており、(ホナズ市では)1,200ヘクタールの農地で年間約1万トン収穫され、その大部分がヨーロッパ諸国に輸出されている。
サクランボ生産農家のミュシェッレフ・オズチュルク氏によると、収穫時期の早い国内原産種のサクランボの生産は順調であり、ナポレオン種のみが不作である。オズチュルク氏は、今年は降水量が多かったためサクランボの実が弾けてしまったとし、「仮に全て豊作だったら人手を確保できないだろう」と語った。同じくサクランボ生産者のイブラヒム・デミルジ氏も、「早生種」と呼ばれトルコ国内市場に出荷されるサクランボの収穫量は豊富であり、(不作の)ナポレオン種は輸出向けであるとし、次のように語った。
「国内市場向けであるため、国産品種のサクランボを大規模に栽培している農家はない。今年は夏の天気と冬の天気が混ざったような気候だった。早く暖かくなったのでサクランボの開花も早かったが、気温の低い日が15日あり雨も多かったため、花が散ってしまった。天候のせいでナポレオン種は収穫が半減してしまった。」
デミルジ氏は、20ドニュム(約20,000㎡)の農地から15トンのサクランボを収穫していた農家が、今年は500キロしか収穫できないと話していたとし、「10本の樹から1つしか獲れないと言っている人もいる。授粉をしてくれるはずのハチが、今年は気温が低かったため出てこなかった。輸出業者は、サクランボの卸値は10~12リラになると言っている。ここよりも寒冷なケマルパシャでの収穫は非常に少なく、チヴリル地方では無いと言ってよいほどだ」と語った。
ホナズ市のトゥルグト・デヴェジオール市長は、今年は天候のためサクランボの収穫量が大幅に減少したとし、次のように語っている。
「トルコ原産と言われている『ズィラート・ギョズ』や『クサ・サプ』、『アイドゥン・カラス』といった品種のサクランボには問題がない。他方で我々が 『サーリフリ』と呼んでいる『ズィラート0900』種のサクランボは、収穫量が60~70%落ちている。農業組合もしくは我々自治体は、市及び県の農業局と協議し、視察団を送り、畑を見回ってもらった。彼らは収穫量が70~80%減少すると推測した。」
デヴェジオール市長は、生産量の減少を受けて、農業(ズィラート)銀行と農業信用組合に対する(生産者の)借金返済を猶予するため、関連省庁に申し入れを行なったことを明らかにした。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:30110 )