イラン人巡礼者たちを待ち構えるコロナウイルスの脅威
2013年05月19日付 Jam-e Jam 紙
サウジアラビアで最多のコロナウイルス感染者が報告、全世界で感染者の半数が死亡
【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】保健相は、国内でのコロナウイルス感染者はこれまでのところ一例も報告されていないと述べている。しかし、この病気への感染者数が最も多いのはサウジアラビアであり、イラン人小巡礼(ウムラ)者たちのサウジ訪問がいまだに続いていることから、巡礼者らがこの病気に感染し、それを国内に持ち帰る危険性が残っている。
わずか一週間前までは、コロナウイルスの名は多くの医師にとって聞き覚えのないものであった。ところが先週になってWHOの警告を耳にすることで、よもや呼吸困難を患い診察を受けた患者の中にコロナウイルスに感染していた者がいたのではないかと、全世界の医師らに緊張が走ったのである。
WHOはその警告の中で、コロナはウイルス性の病気で、ヒト・ヒト感染すると発表した。この病気の中心は見たところサウジアラビアであるが、ちょうどこの警告が発せられた頃、フランスで2人目の感染者が確認されている。しかしこの人物もまた、アラブ人との接触がなかったわけではなく、この人物はドバイへの旅行でコロナウィルスをドバイ土産としてフランスに持ち帰ったルームメートから、この病気をうつされたのであった。
コロナウイルスはまさにこのときから、いっせいに猛威を振るい始めた。保健省感染症管理センターの報告によると、これまでに全世界で34人がこの病気に感染しており、その半数が死亡したとのことである。そして重要なのは、感染者のうちの20人がサウジアラビア人である、ということである。つまり、感染の震源地となった場所は感染者の最も多い場所でもある、ということである。
■ SARSウィルスに似た殺人ウィルス
世界中の科学的権威〔※科学雑誌や研究所のこと〕が発表した報告によると、コロナウイルスはSARSとよく似ており、呼吸器系に感染して腎臓の機能低下を引き起こし、その後人を死に至らしめるという。保健省感染症管理センター所長のモハンマド・メフディー・グーヤー博士はジャーメ・ジャム紙とのインタビューで、次のように説明する。
この病気の感染経路は、感染者の口や鼻から出た飛沫であり、くしゃみやせき、握手によっても感染し得る。コロナウイルスにはワクチンや治療薬はなく、そのためこれまでに感染者の約半数が死亡した。しかしだからといって、全ての感染者が必ず死に至るという風に受け取ってはいけない。
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■ そしてイランでは‥‥
イランは、この病気の中心地であるサウジアラビアからそれほど隔たっているわけではないが、しかしモハンマド・ハサン・タリーガト保健相によれば、いまだ国内ではコロナウイルスへの感染例は確認されていないとのことである。
このことは保健省感染症管理センターのマフムード・ナバヴィー副所長も認めており、「この病気のウイルスは水性の下痢を引き起こす。もし早期に治療が行われなければ、命を落とす可能性がある。しかしながらこれまでのところ、国内ではこの病気への感染例は報告されていない」と、ファールス通信とのインタビューで述べている。
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( 翻訳者:8410141 )
( 記事ID:30133 )