イスタンブルの各所にあったオスマン時代の文書群が集められる国立文書館が完成した。約37万の帳簿や約1億の文書がここに保管され る。文書館は万全の安全対策が施され、カードと指紋認証システムによって入場できる。文書館には800台のカメラによる監視システムも備えられる。
集合住宅局(TOKİ)はイスタンブルの各所にあったオスマン時代の文書群が集められる国立文書館を竣工させた。スルタンアフメトとバージュラルにあるスルタン(君主)の勅令から条約に至るまで約37万冊の帳簿や約1億点の文書がここに保管される。国立古文書館は管理棟、350名を収容できる閲覧室、研究所、 図書館、博物館、資料デジタル化部門、修復部門、出版・広報サービス部門、分類作業部門、社会施設部門を含む13のブロックから成る。建物内には200の作業室、120の保存スペース、3つの大きな多目的会議室、5つのセミナールーム、ほぼあらゆるグループが会議を行える10の会議室 がある。施設全体で千人の職員が働く。史料が置かれる保管場所や作業用の部屋の全てで史料が安全に保管・分類されうる空調の条件が保たれる。保存場所は湿度45~60%で気温18~22度、研究場所は湿度45~60%で気温26~28度となる。全ての作業スペースや保管場所やシステムルーム、修復部門、分電盤室に自動ガス消火システムが置かれる。火事の際には各部門がそれぞれ個別に対応できる。建物全体で6000地点に火災報知システムが、 260地点に制御盤がある。
文書保管室の入口はカードと指紋認証システムを用いて、必要な安全対策がとられている。建物内に作られる博物館の入場者は、ヨーロッパで最初の人権宣言の一つである「スルタン・メフメト二世のボスニア勅令」、「カルロフチャ条約」、「バルタリマヌ条約」をみることができる。
■一カ所から監視
全ての技術基盤や設備はオートメーションネットワークを備えた中央から監視される。いかなる問題が起きた場合にも中央のオートメーションセンターが対応できる。2万のユニットと100㎞のシステム収納庫を備えた国立文書館には紙と史料の修復設備、専用印刷機、ラミネート加工機、燻蒸消毒機器、資料修復のためのあらゆる設備がある。この建物の完成で、会議、パネル討議、シンポジウムといったあらゆる国内外の会議が行え、国内外の来賓を招くことができる近代的な文化センターがイスタンブルに誕生することとなる。
オスマン時代の文書群を一カ所に集める国立文書館は集合住宅局と国立文書総局の間の議定書に基づいて建設された。集合住宅局は国立文書館を2013年4月4日に国立文書総局オスマン文書局に移譲した。国立文書館の開幕を今週末タイイプ・エルドアン首相がおこなう。
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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:30163 )