アルンチ副首相は、「首相代理」の肩書でギュル大統領と面会した。アルンチは、会見後に、「最初の事件で、環境問題への関心から行動していた人々に対し、(警官隊の)暴力的行為があったことを謝罪する」と述べた。
エルドアン首相が外国訪問中であるため、ビュレント・アルンチ副首相は首相代理の肩書でギュル大統領と会見をし、その後、首相代理としての発言であると明言し、注目すべき発表を行った。
アルンチ「首相代理」は、首相府新ビルで行った記者会見で、首相代理として話すとしたうえで、「政府として」発表を行った。概ね用意された文章を読み上げたアルンチ首相代理は、大統領とのの会談は特別なことではないので、そこを強調しないよう要請した。エルドアン首相とも話をしたとするアルンチは、政府の対応ははっきりしたと強調した。ギュル大統領との社会の沈静化の方策を話し合ったとするアルンチは、警察が初日に行使した暴力的行為に対する当然の反発が生まれたとしながらも、非合法組織の暴力に対しては、警察は引き続きその職務を果たすと述べた。
■生活スタイルについてのメッセージ
アルンチ首相代理は、「生活スタイルは、私たちにとってとても重要で、デリケートな問題です。生活スタイルの点でこれまで圧迫下におかれてきたものとして、自分たちが体験したことを他のひとに味あわせないようにと非常に注意してきた。自分の生活スタイル、自分のこだわりを前面にだすのではなく、共通点を見出し、中道をみつけることを常に私たちの任務だと考えてきた。社会と対立するような考え方をもってきたわけではないし、そのようなことはあり得ない」との表現を使った。
アルンチは、事態における民族主義者行動党と平和民主党の対応に感謝をするとし、「もちろん、共和人民党のクルチダルオール氏も、公共財に被害を与えるようなことは扇動しなかったし、この運動には党としてではなく個人として参加し、タクスィムにもその目的で行ったと発言して下さったことに感謝する」と述べた。アルンチは、デモ参加者が、暴力行為を行ったものをのぞけば1、2時間以上は拘束されていないとし、次のように述べた。
「この行動は合法的で、正当であり、正しいものだ。スッル・スュレイヤ・オンデルBDP議員も、事件のはじまったときから、この件での反対意見を表明していた。しかし残念ながらそこで行われた当然の要求に対し、なんらかの理由で―その点は、いま、調査中だが―警察の方で催涙ガスを使い始めたことが、事件を収拾のつかないものにした。私たちは、政治をするにあたって、間違いも犯しうる。行き過ぎということもあれば、不十分ということもありえる。望ましくない事態が起きれば、行政裁判が判断し瑕疵があったということにもなりうる。これを私たちに指摘しようとした人びとを、鼻から拒否の目でみることはしない。私は民主主義をそのようなものと理解する。
当然、今回公務員が間違った行動をとったということもありうる。関連省庁とも会合をもち、官僚のなかにも越権行為がなかったかどうかも、単に批判するだけではなく、調査もはじめる可能性もある。」
■「世間は、これを区別する」
アルンチ首相代理は、謝罪の呼びかけに関連し、「最初の事件で、環境問題への関心から行動していた人々に対し、過剰な暴力がつかわれたことは間違いであり、不当だった。その被害にあった人々に謝罪する。その点は、確実にいう。ただし通りにでて破壊行為をするもの、道を封鎖し人々の自由な活動を邪魔しようとした人びとに対して謝罪の必要があるとは考えていない。世間は、これを区別して考えるべきである」と述べた。
■「警官は、(現在)合法的な対応をしている」
アルンチは、警察について、「彼らは難しい任務を行っている。過剰な暴力を使うこともおこりうる。次のような決定をした。警察は受け身の態度をとるものとする。つまり、デモ隊がなにかしてこないかぎりは待機し、身に危険がせまったときに初めて催涙ガスを使う。自分たちに対し正当防衛の必要がない限りは催涙ガスはつかわないという命令が出された。警察に重大な侮辱が行われており、死ねといわんばかりだ。しかし負傷者の数をみれば、デモ隊の3倍の警官が負傷をしている。警官らは5日間、ろくに睡眠もとれずに任務にあたっている。彼らも、私たちの子供たちだ」と述べた。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:30218 )