目的は、大統領就任阻止?―AKPサイドのゲズィ抗議解釈
2013年06月05日付 Radikal 紙


ゲズィ公園の抗議活動から始まり全県に拡大したデモ行為は、日常生活に、社会生活に深く影響を与えた。現在、このデモが政治的結果を生み出すかどうかが焦点となっている。さて、AKP(公正発展党)はこの一連の事態をどう解釈しているのか?与党サイドは、ある論点において意見が一致している。

この一連の騒動の標的が、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相であると信じられている。彼らによれば、状況は以下のようである。

背後にこの事態を計画した、ある「意志」が存在する。「純粋な環境活動」として開始したデモがグローバルなシナリオに転換されようとしている。まさに、この「意志」の目的が、トルコを「混乱」に陥れ、与党を「統治不能」な状態にすることである。そのために、緊張状態は選挙まで継続するだろう。様々な問題において同様のデモ行為が現れてくるだろう。まず、AKPのイスタンブル広域市選挙での敗北が望まれている。なぜなら、「イスタンブルを失うものは、トルコも失う」からだ。
我々の民主主義の歴史において、大統領選挙は常に痛みを伴ってきた。この選挙プロセスも、穏やかに済むことは望めない。一大目的は、エルドアン首相を首相はおろか大統領候補にもなれない状態にすることである。さらには、形作られる新しい政治展望によって、新大統領を、以前のようにトルコ大国民議会に選出させることである。この「意志」は結果に至るためにAKP「内部」にまで手を出すだろう。特に、ギュル‐エルドアンの関係や、(AKPの内規に従い)3期連続で議員を務めたことにより、政治に別れをつげる人物や、選挙前の候補予想についてが焦点となる。

公正発展党は、今後多くのことがかつてのようにはならないと気づいている。内部での自己批判すら行っている。これと同時に、政的損失アセスメントレポートに取り組んでいる。社会で高まるこの波の理解に向けて、90年代の分析に関しても盛んになっている。ゲズィ公園と共に始まったデモ行為が、(2007年の 大統領選挙時に行われた)共和国プロテストに類似しておらず、多様な層の反発に直面していることも認めている。党の重要ポストにいるある人物は、事態について「ポスト5月27日クーデター」との類似を示した。権威主義や生活様式に対する圧力と共に世間に拡散した『虚偽報道』が、メンデレス政権の最期と似ていると述べた。同じくAKPのある党員は、CHP(共和人民党)を主要アクターとみて、「デモ行為の背景に『国民の意志』があるとは言えない。対峙しているのは、ポップで流行りのデモ行為だ。5月27日との違いは、軍に招集がかからないことだ」と話す。

■アルコール条例に撤回はあるのるか?

政治的2極化は過去にAKPに有利に働いた。今回は条件が異なり、2極化が社会にも政党にも有益でないという意見が多数派である。政治情勢の軟化、緊張の解消が必要であるという意見が高まっている。アブドゥッラー・ギュル大統領の出方、首相の代理を務めたビュレント・アルンチ副首相の事態鎮静化ミッションは肯定的にとらえられている。大統領と首相による、デモ隊を家へ引き戻しうる2つの行動について以下のように述べるものもいる。政府によるアルコール条例の部分的撤回とエルドアン首相がアフリカから帰国しての新しいスタートのために再度バルコニー演説を行うことだ。AKPの組織については…有権者基盤によれば、まだモチヴェーションを持っていることが明らかだ。何に関しても内部には他の「事案」があるという思想は、ヤルチュン・アクドアン最高顧問の発した 「エルドアン首相を疲弊させない」という言葉にみられるとおり一致している。AKP組織と青年支部は対峙するデモにたいして準備のできた部隊であるといえる。 エルドアン首相のアフリカ外遊からの帰国は、大規模なデモの舞台となりうる。

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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:30239 )