【事件部：マアスーメ・マレキー】〔イラン東部ケルマーン州の〕ラフサンジャーン県で、多数の人が密造酒を飲んだために中毒症状を起こし、同市および近隣の県にある複数の病院に搬送される騒ぎが起きた。こうした中、矛盾した数字が飛び交っており、7名から10名が死亡、500名に中毒症状が出たと報じられている。

　ジャーメ・ジャム紙の報道によると、ホルダード月8日水曜日〔5月29日〕の午後、若者の男性が意識を失った状態で、家族の人たちによってラフサンジャーンにあるアリー・ブン・アビーターリブ病院に運ばれた。看護師らが患者の容態を検査したところ、彼が密造酒を飲んだことによって中毒症状を起こし、意識を失ったことが分かった。医師らの懸命の努力にもかかわらず、男性は重度の中毒が原因で死亡した。

　この事件を受け、110番警察緊急センターへの通報が行われた。警察官らが病院に向かい、この若者の家族を取り調べたところ、彼が密造酒だとは知らずに精力剤としてある物質を服用し、それがもとで死亡したことが分かった。死亡した若者の家族からの訴えをうけ、本件に関する警察の捜査が始まった。すると、病院から警察に情報が寄せられ、密造酒を飲んだために重度の中毒にかかり、病院に搬送された人たちが他にもいること、そのうち一部はすでに亡くなり、重体となっている人もいることなどが分かった。
　
　この情報を入手した捜査官らは病院に向かい、ラフサンジャーン検察庁の担当の予審判事に事情を報告した上で、密造酒を販売した一味らの特定および逮捕に向けた捜査を開始した。

■ アリー・ブン・アビーターリブ病院に多数の中毒患者が搬送
　
　この問題に関し、ラフサンジャーン病院の救急部隊の責任者の一人は本紙記者に対して、「先週の水曜日の午後から金曜日の午後にかけて、約500名が診察に訪れ、そのうち一部は密造酒を飲んだことが原因で重度の中毒に罹り、このセンターに運ばれた人たちだった。彼らの中には死亡した者もおり、また失明した者や重体の者もいる。また、一部の患者はアリー・ブン・アビーターリブ病院に入院しているが、設備の不足により、ケルマーン市やスィールジャーン市、バルドスィール市、ザランド市、およびヤズド市の病院に搬送された者もいる」と述べた。


■ 病院で7名の死亡が確認

　この病院のICU（集中治療室）部門の責任者の一人も、ジャーメ・ジャム紙に次のように述べた。
　

〔‥‥〕

　最新の報告によると、今回の惨事を受け、事件の調査のためにラフサンジャーン安保評議会の特別会議が立ち上げられ、今後その結論を発表する予定となっている。密造酒の中毒が原因で死亡した人や視力を失った人の正確な人数については、いまだ確たる情報は得られていないが、地元の一部のニュースサイトによると、死亡した人の数は10名に上るとのことである。ただし、いまだ当局からは確認されていない。

　他方、ラフサンジャーン医科学大学の広報責任者は市全域で広報活動を行った結果、一部の市民がショックを受け、診療所を訪れたと指摘した上で、イラン学生通信に「こうしたことから、中毒患者の数を500名と伝える数字もあるが、この数は正確ではない」と述べた。

　同氏はまた、中毒症状を起こした人たちは全員、とあるパーティーで中毒にかかったという噂や情報が飛び交っていることについて、これを否定した上で、「それは正しくない。被害者は市の全域にいる。ただし、とある結婚式および誕生日会との関連で、我々のもとに情報が寄せられたことは事実だ」と説明した。

　ナジュモッディーン氏は、被害者は全員男性で、27歳以下の年齢層の者たちだったとし、彼らが中毒症状を起こした原因について「これらの人たちの血液サンプルを、検査のためにケルマーンとテヘランにある医科病院に送った。専門家らの臨床上の見解によれば、彼らが中毒症状を起こした原因は、メチルアルコールの摂取であるとのことだ」と述べた。

〔‥‥〕

　同氏は、患者らは水曜日から救急治療室を訪れるようになり、その流れは今も続いていると述べた上で、さらに「ただし、患者数が最も多かったのは木曜日で、そのためにわれわれはケルマーン州内や周辺の市にある病院に協力を要請した」と指摘した。

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（ 翻訳者:8411056 ）
（ 記事ID:30259 )