覚醒剤による幻覚でジンが出現
殺人犯らは通常、法廷に現れると、奇妙きてれつな言い訳を次々と口走るものだ。
例えばしばらく前のこと、殺人の罪に問われたアフマドという名の若い男の裁判が開かれた。そこで男は、自分を苦しめるために、友人がジンを自分のところに送りつけてきたことが、彼を殺害した理由だと主張したのである。
この悲惨な事件の目撃者によると、アフマドと彼の友人アリーはともに覚醒剤の常習者で、彼らはしばしば、アリーが勤めるテヘラン南東部にある修理工場で、覚醒剤を打っていたという。そしてついに、覚醒剤の使用が原因で、彼らのうち一人に幻覚症状が発生、ジンと関係を結んだことを理由に、もう一人を殺してしまったのである。
この殺人事件を目撃した目撃者によると、殺害犯は常日頃から、友人が自分を苦しめるために、数匹のジンを雇い入れているなどと口走っていたという。
こうしたことが理由で、事件のあった日、アフマドはシャツの中にナイフを隠し持った状態で、殺害されたアリーの勤めていた修理工場に行き、彼をナイフで数回にわたって切りつけ、命を奪ったのであった。事件を目撃した人々はすぐさま警察に通報し、こうしてテヘラン第157分署の警察官らは覚醒剤中毒の殺害犯を犯行現場で逮捕したのであった。
ジンと呪われた金
しばらく前のこと、呪いを解き、災厄を遠ざけるという口実で、自分の「カモ」の一人から金塊1㎏と現金6千万トマーン〔※自由レートで約170万円〕を詐取していた中年女性が、エスファハーンで逮捕された。
詐欺師の女は犠牲者から金塊や現金を自分のポケットに入れるために、驚くべき計画を練っていた。
彼女はある家族の信用を手に入れると、彼らに「ジンたちがあなた方を苦しめるために強い呪文をかけた。そのため、しばらくすると危険な病気があなた方を襲うだろう」と警告した。
詐欺師の女の演技は極めて巧妙で、「カモ」に対して「あなたたちの金塊や宝石類はジンによって呪いがかけられている。あなた方の誰かがいつ何時死んでも不思議ではない」などと家族の人たちに言うと、呪文を解いてもらおうと、彼らは快く自分たちの所有する金塊全てを女に渡してしまったのである。
詐欺師の女は金塊や現金を手に入れるや姿をくらまし、先日ついに、警察によって女の隠れ家が特定され、逮捕されたのであった。
この家にはジンがいる
家の中にジンや超常的存在が潜んでいるというのは、映画のホットなテーマの一つであるが、こうした出来事がいつも映画の世界や脚本の中でのみ起こるとは限らない。
しばらく前のこと、テヘラン北部にある、とあるアパートの住民らは夜な夜なアパートのある部屋から聞こえてくる奇怪な音が気になり、アパートを退居することにした。この事件は、アパートに住むナーヒードという名の住民〔※女性〕が、となりの部屋から毎晩、奇怪な音を聞くようになったことで、深刻なものに発展した。
一部のアパート住民はこのことを信じることができず、この出来事を近くから調査することにした。そこで住民数名がジンが取り憑いているとされる部屋に夜中泊まり込むことになった。そして彼らは実際に自分の耳で疑わしい音を聞き、ついにアパートを売り払う決断を下した。
しかしそれからしばらく経った時のこと、ナーヒードが〔引っ越しをしようと〕家財道具をまとめていたところ、奇妙なものを発見した。なんと、小型のスピーカーが巧妙に、彼女の家財道具に取り付けられていたのである。
若い女性〔=ナーヒード〕が正体不明の音の源を突き止めるや、彼女は警察にこの問題を通報した。警察が初期の捜査をしたところ、若い女性はしばらく前に、アパートの管理人だった隣人の一人と喧嘩をしていたことが分かった。
アパートの管理人はなんと、若い女性をアパートから追い出すために、巧妙に小型スピーカーを彼女の家に取り付け、隣人が逃げ出すことを狙って「ジンが取り憑いた部屋」というシナリオを実行に移したのである。
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( 翻訳者:8411085 )
( 記事ID:30326 )