シリア、イラク:アル=カーイダの内部対立にアッ=ザワーヒリー氏が介入
2013年06月11日付 al-Hayat 紙

■アル=カーイダの指導者がシリアとイラクの派閥対立解決に介入

2013年6月11日『アル=ハヤート』

【ドバイ:ロイター】

カタールのアル=ジャズィーラ・チャンネルによると、アル=カーイダの指導者アイマン・アッ=ザワーヒリー氏がシリアとイラクの派閥どうしの対立に介入し、両派に論争を止めるよう求めた。

イラク・イスラーム国は去る4月、シリアのバッシャール・アル=アサド大統領に対して武装闘争を行うアッ=シャームの民のアン=ヌスラ戦線と統合したと発表していた。だが、この発表にアン=ヌスラ戦線が反発、アッ=ザワーヒリー氏への忠誠を表明し、いかなる統合の通達も受けていないと主張していた。

アン=ヌスラ戦線の指導者たちは、シリア人の多くが信仰上の理由ではなく、軍事活動を重視しているという理由で戦線に参加していることを知りつつ、民間人に対する無差別攻撃やイスラーム主義者らが行う攻撃などに訴えることを厳しく抑えようとしていた。なぜなら、こうした攻撃により、多くのイラク人が、2003年の米国主導の西側諸国軍(の占領)に反対して戦っていたイラクのアル=カーイダと距離を置くようになったからである。

アル=ジャズィーラ・チャンネルがインターネットを通じて公開した、アッ=ザワーヒリー氏によるとされる書簡によると、アル=カーイダの指導者は、アブーバクル・アル=バグダーディー氏が発表した統合を破棄し、「イラク・アッ=シャーム・イスラーム国は廃止され、イラク・イスラーム国として活動を続ける。アッ=シャームの民のアン=ヌスラ戦線はアル=カーイダ全体に従うカーイダ・アル=ジハード集団から独立した分派である」と明言した。また「イラク・イスラーム国の支配領域はイラクであり、アッ=シャームの民のアン=ヌスラ戦線の支配領域はシリアである」と付言した。

アッ=ザワーヒリー氏はまた、両組織に対して論争を止めるよう求め「カーイダ・アル=ジハード集団のすべての同胞に(決定の)遵守を求める。またすべてのイスラーム教徒、ジハード主義者の同胞にこの対立をめぐる論争を止めるよう要請する」と述べた。

さらに、アル=バグダーディー氏とアン=ヌスラ戦線のアブームハンマド・アル=ジャウラーニー氏の両名がそれぞれの組織を今後1年間指導し続けるだろうと述べた。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)


シリア情勢に関しては「シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記:シリア情勢(2011年~)」も参照ください。

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( 翻訳者:青山弘之 )
( 記事ID:30367 )