■アラブの春の若者たちはメディアを信じていない
2013年6月12日『アル=アハラーム』
【本紙】
エジプト、リビア、チュニジアといったアラブの春の当事国の若者らに対して実施された最近の調査は、彼らを強い挫折という状況が支配していることは言うまでもなく、彼らのメディアに対する信用が危険なほどまでに低下していると明らかにした。このことが若者たちと他の社会集団とのギャップを深めたという。
革命の公約に関する調査「エジプトとリビアとチュニジアの若者たちの理念の変容」が行われた。これは「ブリティッシュ・カウンシル」とカイロにある「カイロ・アメリカン大学」所管の慈善活動と民間人の参加をためのジョン・ジルハルトセンターにより実施された。
調査は以下のような報告をした「この3カ国の若者たちは彼らの声が聞き入れられ、革命後の国家再建の段階を通じて彼らの要求が通るだろうと考えていた。そんな彼らの希望を殊更に挫いたのは、年配のベテラン政治家たちが公共の覇権を握り、それに対してメディアが若者を素人だというイメージの基礎を作り、彼らを常に革命のヒーローと描き出したことだ。
また2012年から8カ月間にわたり18歳から35歳の若者を対象に行われた調査では次のことが報告された。フスニー・ムバーラク前大統領の政権に反対して革命を指揮したエジプトの若者たちの間にくすぶる不満は、彼らが次のように問いかけるところまで達している。「私たちは本当に革命を起こしたのだろうか?」
また同調査は、2011年3月に行われた国民投票が、エジプト人たちの思想的なベクトルやどんな宗教に属しているかの2点で、二極化のプロセスを打ち立てた。その結果、不信感に由来する雰囲気が表面化した。その中で最も顕著な特徴は宗派間の相克だ。さまざまなギャップが、若者たちと他の社会集団との関係を特徴づけるものとなってしまった。特に、信頼のギャップ、各世代のギャップ、男女間のギャップがそれだと報告した。
(本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:30388 )