シリア国境閉鎖に向けてのイラクの軍事作戦に対し「アル=カーイダ」組織が国内での攻撃で反発
2013年06月12日付 al-Hayat 紙


シリア国境閉鎖に向けてのイラクの軍事作戦に対し「アル=カーイダ」組織が国内での攻撃で反発

2013年6月12日『アル=ハヤート』

【バグダード:本紙】

シリア軍のアレッポ各地域への進軍に並行して、イラク軍はここ数日間の間に集中的なシリア国境の制圧作戦を行なっている。一方、モスル、キルクーク、ディヤーラー、バグダード北部では、おととい(10日)夜、血みどろの攻撃が行われた。これらは、アンバール県とモスルでの「アル=カーイダ」組織の戦闘員達への圧力を抑えるためだと説明されている。

イラク軍は数日前、シリア国境方面のアンバール県砂漠地域での「幽霊作戦」を開始した。同軍はこの作戦が「アル=カーイダ」系の「イラク・イスラーム国」組織の複数の拠点、武器倉庫、訓練施設を制圧したと強調した。

ティグリス川作戦司令部の報道官であるガーリブ・アティーヤ・アル=カルヒー中佐はおととい、本紙に対する声明で「アンバール県(バグダードの西側)の砂漠地帯におけるアル=カーイダのメンバーを追跡するための治安作戦は、戦闘員たちがディヤーラーとキルクークでの攻撃を拡大するのを肩押ししている」と語った。

月曜(10日)夜から火曜にかけて、キルクーク、モスル、ディヤーラー、バグダード北部では10台の自動車爆弾による一連の爆発によって、およそ300人のイラク人が死傷した。

AFPが報じたところによると、作戦の司令官であるアブドゥルアミール・ムハンマド・リダー・アッ=ザイディー参謀は「昨日の真夜中に、ディヤーラー県の複数の地域でアル=カーイダを追跡するための広域作戦が実行された」と語った。

加えて「作戦の結果、現在までのところ、ハムリーン地域での衝突で、アル=カーイダの幹部3名が死亡、14名の逮捕された。」と述べ、また軍の大佐レベルの将校は「作戦にはおよそ4万人の戦闘員が参加した」ことを明らかにした。

作戦開始の数時間前、身元不明の武装した数名が偽の検問を設置し、バクーバ北東部の幹線道路にてトラック運転手5名を誘拐、殺害した。

ディヤーラー県は、2006年6月にイラクのアル=カーイダ組織の指導者であったアブームスアブ・アッ=ザルカーウィーが殺害された場所であり、過去数年にわたって同組織の主要拠点が置かれている。

またアンバール県副知事のサアドゥーン・アッ=シャアラーン副議長は本紙に対し「県の作戦司令部に属する3つの旅団があり、加えて、アッ=ジャズィーラ作戦の完全な指揮下にある旅団は砂漠地域と、ヨルダン、シリアとの国境の町、ルトバとアン=ヌハイブの周囲にも配置されている。もっとも重要な任務は、これらの地域に広がっているアル=カーイダ組織の小集団を駆逐することである」と語った。

アンバール県における軍の展開は、シリア軍がその方角に進軍を始めたことから、国境を越えた側での変化と並行している。バグダードには「アル=カーイダ」の戦闘員がシリアで敗北した場合にイラクに再び押し寄せるのではないかという不安が広がっている。一方、事態の分析は、シリアとイラクの両軍は、同組織の戦闘員達をペンチの歯の間に封じ込めようとする試みを行なっているとの見方に傾きつつある。

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( 翻訳者:篠原桃子 )
( 記事ID:30389 )