シリア政府、エジプト大統領を「陰謀集団」に加わったと非難
2013年06月17日付 al-Hayat 紙

■シリア政府、ムルスィー大統領を「陰謀集団」に加わったと非難

2013年6月17日『アル=ハヤート』

【ロンドン、ダマスカス:本紙】

シリア政府は昨日(16日)、エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領が同政府に対する「陰謀集団」に加わったと非難した。また、同大統領がシリア政府との外交関係の断絶を決定したことを「無責任な」立場だとみなした。

エジプト大統領は土曜(15日)晩 、シリアとの外交関係を完全に断ち切ること、エジプトのシリア大使館の閉鎖、そしてダマスカスからのエジプト常駐代表の引き上げを発表していた。同大統領はレバノンの「ヒズブッラー」に対し、シリアから組織の戦闘員を撤退させるよう呼びかけていた。また多数の聖職者らがカイロで開いた会議での演説で、世界の諸大国に対して、躊躇(ちゅうちょ)せずにシリア上空における飛行禁止区域を設定するよう求めた。

シリア国営通信(SANA)は、外務省高官筋の話として「ムハンマド・ムルスィー大統領は(自身がエジプト大統領であることを忘れて)シリアとの全関係を断つことを表明、シリアに対峙(たいじ)するアメリカ合衆国とイスラエルが主導する陰謀と扇動の集団に加わった。このことは、シリアのさまざまな場所において、テロに対しシリア・アラブ軍が達成した成果を受けた動きだ」と伝えた。またムルスィー大統領の姿勢が「無責任で、今後国内で行われるはずの選挙から逃れ、ムスリム同胞団のアジェンダを実行しようとする同大統領の試みを反映している。この選挙は、民衆革命の諸目的を達成しようとする エジプト国民が求めているものだが、ムルスィー大統領とムスリム同胞団からなる政権幹部は、それを避けてきた」とみなした。SANAは、ムルスィー大統領の姿勢が「いわゆる「ムスリム・ウラマー連合」の逸脱したシャイフらが発したタクフィール(不信仰)のファトワーを補うかたちで」示されたもので、「エルサレムを最前線に擁する奪われたパレスチナの地の解放に進路を向ける代わりに、シリア人の血を流すためにシリアで戦闘を行うことを呼びかけている」とみなした。

(後略)


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:30472 )